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『杜子春』の読書感想文(800字)-欲のない正直さを持つ

芥川龍之介のイラスト画像 読書

芥川龍之介『杜子春』を読んだので読書感想文を書きました。

どんなお話か知らなかったのですが、子供でも読みやすいし分かりやすいと思うし、大人が読むと自分の考えを見直すきっかけを与えてくれますね。

ページ数も少ないし、昔の作品だけど言葉も難しくないし、けれども深さを感じる。

「これが文豪か…」と感じられた作品でした。




『杜子春』の読書感想文【800字】

【タイトル:欲のない正直さを持つ】

読了後に窓の外を見ると、読む前と景色は同じはずなのに景色が変わったような気がした。

たくさんの物語を通じて知識や教養を学んできたけれど、この物語からは何かを得るというよりは余計なものが落ちた気がする。

自分で自分の姿は見えないけれど、この物語を通じて自分の姿が映し出されたような感覚。

まるで鏡のような物語だった。

 

杜子春は最終的には畑ごと家をもらうことになったが、それまでの結果だけを見れば現状が変わったわけではないだろう。

始まりも終わりも洛陽の西の門の下でぼんやりしていた。

それでも仙人と出会う前と後とで生まれ変わったはずだ。

お金や名声で変わってしまう人間関係、ルールを守るだけの人生、贅沢や貧乏な生活。

様々な経験をしたことで杜子春は「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをする」ことの大切さを知った。

人生において大切なものは遠くにはない。

ゼロ距離に存在していることを改めて感じさせられた。

 

この物語では『人間らしい、正直な暮らし』の正体を明確にしていない。

だから正解は分からないが、杜子春が言ったこの言葉の正体は『欲のない素直さ』ことだと私は考えている。

そして、そこに本当の幸せがあると知った。それが杜子春の正直な気持ちだったのだろう。

たとえ仙人になってお金にも人間関係にも悩まない生き方が出来たとしても、それは人間らしい生き方にはならない。

そして、他者を思いやる、無償の愛を持つ、そこには欲はない。

情は忘れずに欲のない正直さを持つ事は、これから先の人生で大切にしたい感覚だと思った。

 

相手のことが悪く見える。

世の中が悪いと感じる時は決まって自分の気持ちが乱れている時だ。

けれども、他人は関係ない。

自分がどうありたいかだけを考えればいい。突き詰めれば物事はいつもシンプルだ。

私のありたい姿も杜子春とさほど変わらない。

「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをする」ことを私も目指したい。

(791文字)

突き詰めれば物事は近くてシンプル

教訓めいたお話だなーと思ったのですが、もともと中国のお話を元に芥川が創作したみたいですね。

芥川の作品は教訓めいたものがあったりもするけれど、彼自身がすごく学ぶ人で「自分の悩みと向き合っていた人だったのだろうなー」と想像しています。

嫌なことや自分の不利益から目を背けがちの私とは大違いですな(-ω-)b

教訓めいてはいるけれど、押しつけがましくない。

だからスッと自分に入ってくるし、学ぶ…というより本能的に感じる。

文字通り『本』から『能(はたらき・効果)』を与えられた感じがしますね。

 

『良い作品』って学んだり教えてくれたりするよりも“気づき”を与えてくれますよね。

すでに自分は知っているはずなのに忘れていたり、ついつい求めることで見落としたりするけれど、「もっと自分の近くに目を向けてみなさい」と諭されているような感覚。

その感覚を『杜子春』を読んで再び思い出しました。

タイプは少し違うけれど『星の王子さま』を読んだ時と似たような感じがします。

突き詰めると物事って『近くてシンプル』なところに答えがありますよね。

『自分自身と身近な人たちが幸せでいること』がいつの時代も大切なのでしょう。

私はまだまだ遠くにあるものを求めているし、達観するにはまだ早いと思っているので欲は捨てられないけれど、最終的には『答えは近くてシンプルだよ』ということを忘れないようにしたいなと。

『杜子春』も『星の王子さま』同様、定期的に読み返す作品にしたいと思います。

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成長するためには『人』と『環境』が大事

杜子春は物語の中で大きく成長しましたが、なぜ成長できたかを考えると『人』と『環境』が大事だと気づかされますよね。

仙人と出会ったこと、都を離れたことで新しい価値観や体験をしたわけだし、それによって成長したわけですね。

私は人付き合いがあまり得意ではないので、自分が変わりたい時はとりあえず環境を変えます。

以前【みにくいアヒルの子の読書感想文】でも書きましたが環境先行型の人間なので。

環境を変えると嫌でも人が変わるので、人付き合いが苦手でも何とかするしかない寸法ですね。

杜子春は逆で付き合う人が変わったことで環境が変わったわけで、『人』と『環境』が成長には不可欠なんだなと改めて感じました。

この先、自分が「変わりたい!」「成長したい!」と感じた時は、この2つはちゃんと意識しておこうと思います。

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『習慣』より『配分』を変える

「人が変わるためには“人間関係”“環境”“習慣”を変えることが大事」なんて言われたりしますよね。

確かにその通りだと思うのですが、習慣ってそう簡単に変わらなくないですか?

成長するためには我慢というか継続も必要だから、コロコロと人間関係を変えたり、環境を変える訳にはいかないでしょう。

けれども習慣は、人も環境も変えなくても変えられるものだから、頑張ってみるわけですが、結局しばらくすると元通り。。。

規則正しい生活を心がけてみるけれど、気づいたら深夜ラジオを聴く生活に戻ってしまいます。

だから、私は自分の習慣を変えるのは無理だなと思っているので、別の方法を考えたりしました。

それが「習慣より配分を変える」というもの。

何時に寝て何時に起きようが1日の単位は24時間だから、習慣や時間に縛られるよりは配分を考えて行動したほうが自分に合ってるなって。

そしたら作業単位で物事を進められるようになったから、不思議と効率が上がったんですよねー。

すごくシステマチックで感情が揺さぶられることがないから、気持ちで動くタイプには合わないと思うけれど、私みたいに団体行動が出来なかったり、他人にあまり興味がないタイプには相性が良い方法だと思います。

まぁ「自分を変えたい!」と思っているような人がこのブログに出会うことはないだろうけど(~_~)笑

 

『杜子春』は今まで読んでこなかったのがもったいないくらいの作品でした。

子供の頃に読んでおけば良かった作品ですね。




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