『星の王子さま』の読書感想文(800字)-大人の「大切なもの」の探し方

星の王子さまのイラスト画像 読書

サン=テグジュペリ・作『星の王子さま』の読書感想文を書きました。

「大切なものは目には見えない」など有名な名言もあって、本を読んだことがない人でもタイトルは聞いたことがある方も多いでしょう。

何度読んでもつかみどころ無くて、読むたびに「あーでもないこーでもない」という気持ちになってすごく面白い作品だと思います。

私が書く感想文は参考にはならないと思いますが、「こんな書き方もあるかも」くらいの感じで例文程度に読んでいただければと思います。

では、まずは私が書いた『星の王子さま』の読書感想文をご覧ください^^




『星の王子さま』の読書感想文(800字)

【タイトル:大人の「大切なもの」の探し方】
『星の王子さま』は子供にあって大人にないものを教えてくれる物語だ。子供の頃は当たり前だったものが、大人になると忘れてしまう。「大切なものは目には見えない」という言葉にハッとさせられる人はたくさんいるだろう。もちろん私もその一人だ。

けれども、この物語の真理は子供になくて大人にあるものを考える ところにあると私は思う。

王子様はおそらく子供の象徴だろう。

王子様が抱く好奇心や純粋な姿は、子供の頃に「どうして冷蔵庫にある卵を温めてもヒヨコが生まれないんだろう?」と不思議だった自分の子供の頃の姿のように思えた。

けれども、大人になった今は子供の頃のように純粋なままではいられない。

それは私はもう知恵を持っているからだ。

知識や経験を経て、否が応でも知恵を持ち、いつしか子供の頃のような純粋な気持ちを失ってしまった。

初めてのことは少なくなり、知らないものも減ってきた。

体験したことがないこともだいたい答えがわかる。

大人に知恵が備わっている以上、純粋なままでは生きていけないのかもしれない。

少なくとも、私はもう純粋な気持ちで物事を見ることはできないと感じている。

子供の頃のような純粋さは自分にはもうない。

けれども「大切なもの」まで見失うつもりもない。

知恵があれば純粋さを失った事実を受け入れることが出来るはずだ。

純粋さを失った事実を受け入れて「目に見えない大切なもの」を感じていく。

大人は悩んだり、疑ったり、話したり、調べたりしながら「大切なもの」を探していけばいい。

純粋な頃に戻れないなら戻らない。

「大切なものは目には見えない」というのなら、それを純粋な感覚で感じることがもう出来ないなら、私はその事実を受け入れたいと思う。

「大切なものは目には見えない」だけで大人に理解できない訳ではない。

純粋な気持ちではなく、備えてきた知恵を使ってこれからは「大切なもの」を見つけていきたい。

(782文字)

『星の王子さま』を現実的に捉えてみた

800字以内にまとめるのは難しいね。。。

本を読んだことがある人なら、何となくニュアンスは伝わると思うけれど、内容やあらすじを知らない人がこの感想文を読んだら「何言ってんだコイツ?」ってなりそう(^^;)

さて、『星の王子さま』はとてもファンタジーでつかみどころがないお話なので、感想文は反対の現実的な視点で書いてみました。

大人になると知識や経験、知恵が増えて、知らなくてもいいことを見たり聞いたりもします。

だんだんと純度がなくなって、透明なままではいられない事もあるでしょう。

地位とかお金とか欲望とかそういう付属品によって、愛や信頼などに気づけなくなってしまう。

それを『大切なものを目には見えない』という言葉で伝えてくれるのが、この物語の核となる部分かなと思います。

 

中学生とか高校生が読書感想文を書くなら「純粋な気持ちを忘れないようにしたい」でも成り立つけれど、いいおっさんが「子供の頃のような純粋な気持ちを忘れないようにしたいですねー!」なんて気持ち悪いじゃん。笑

もちろんそれが成立する大人もいるけれど、私はそういうタイプではないのは気づいてます。

キレイな水が入ったバケツに泥やツバが入ったら、どんなにろ過しても元のキレイな水には戻らない。

どんなにキレイでも『“ろ過された”キレイな水』という事実は消えないんだろうなって。

でも『キレイな水』には変わりないんだから、だったら“ろ過された”としてもキレイな水だという視点を持てば、清らかな気持ちではいられるから、そこに希望はあるのかなって思いました。

 

ちなみに、子供は『純粋』で、その反対として大人には『知恵』があると書きましたが、本来は対義語としての関係性はないでしょう。

けれども、子供が持つ『純粋』の対義語として大人が持つ『知恵』を選んだのには理由がありますので、それについて触れておきますね^^

ヘビは『知恵の象徴』の意味ではないか?

王子様はヘビに噛まれたことによって自分の星に帰りました。

この場面は『死』を意味していると考えられますが、私は別の意味もあるのかなーと思いながら読んでいました。

それは、王子様は『知恵を授かった』というもの。

旧約聖書では『ヘビが唆してアダムとイヴが知恵の樹の実を食べたことで、エデンの園を追放される』なんて話がありますが、ここからヘビが『知恵の象徴』と言われることもあります。

いろんな星を訪れて、いろんな経験をした王子様は、地球に来て知恵を身に着けたんじゃないかなって。

「だからあの場面に出てくる動物がヘビだったのかも?」と勝手に思っています。

 

ちなみに、キツネは物語の中では『トリックスター(物語を展開する者)』として描かれることがあり、善と悪、賢者と愚者のように異なる二面性を持つを持つのだそう。

『星の王子さま』ではキツネに出会ったことで王子様は自分のバラが特別な存在だと気づきました。

キツネに出会う前と後で王子様の気持ちに変化が生まれ、その後ヘビに出会うことを考えると、王子様は死んだのではなく大人になったと考えられるかもしれませんね。

『星の王子さま』の意味がわからない理由

この物語は「つかみどころがない」「捕えがたい」としばしば言われ、初見だと「何が言いたいのか意味が分からない」ということもあるかもしれません。

そう感じる理由は、この物語は読み手に判断を投げかけているからだと思います。

『星の王子さま』は答えを教えてくれる話ではなく、気づきのヒントを伝えてくれる話。

だから人によって「面白い」「つまらない」「怖い」「難しい」などいろんな感想があるのでしょう。

答えが欲しい方には意味がわからないし、何度読んでも完璧に理解したという事もない物語だと思うので、意味が分からない事に対して不安を感じることはないかなと。

 

私は『星の王子さま』を1~2年に一度は必ず読み返していて、少なくとも10回以上は読み返しています。

定期的にこの本を読み返すのは、同じ内容なのに毎回感じ方が違うから。

そして、その感じ方によって今の自分の精神状態や心理状態がわかるから。

気分が落ちている時に読むと『大切なものは目には見えない』という言葉が凄く刺さりますし、余裕がある時に読むと前に読んだ時には分からなかったことも気づけたりもします。

内容は同じなのに感じ方が変わるということは「自分が変化している」ということ。

私にとって『星の王子さま』はある種『読む健康診断』みたいなものですね。

 

ちなみに、『星の王子さま』と似たような作品で言うと映画の『スタンドバイミー』は近い部分はあるかもしれません。

本を読むのが苦手な方は『スタンドバイミー』を観るのもいいのではないでしょうか^^

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『星の王子さま』を題材にした歌と言えば?

『星の王子さま』はいろんな作品に影響を与えていると言われています。

中でも有名なのは宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』で歌われている「君をのせて」ですね。

冒頭の歌詞はもろに『星の王子さま』を感じます。

こんな感じで多くの作品に影響を与えていますが、私はYUKIさんの『Hello!』という曲が『星の王子さま』をモチーフにしているのでは?と思っています。

調べた限りでは2つを繋ぐ証拠は見つからなかったので、もしかしたら私の思い違いかもしれませんが、どうしても結びついてしまうのですね。

このモヤモヤが消えないので、勝手に歌詞分析して検証してみました^^

『星の王子さま』と『Hello!』に関係があるかどうかは答えはどっちでもいいですが、そう思わされた時点で何か手のひらの上で転がされてる感があるよね。

…まぁこういうの嫌いじゃないけど!笑

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