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『山月記』の読書感想文-『プライド』に対する現在地を測る

虎のイラスト画像 読書

中島敦:作『山月記』の読書感想文を書きました。

コチラも前回の『羅生門』に引き続き、高校生の時に読んだ記憶のある作品です。

今まで50作品以上の読書感想文をこのブログで書いてきましたが、私と一番相性の悪い作品に感じました。

「どうしてそんな風に感じたのか?」なども含めて読み進めていただければと思います。

では、感想文からまずはご覧ください。




『山月記』の読書感想文

【タイトル:プライドに対する現在地】

『山月記』は私にとっては気持ちの悪い物語だった。

多分それは李徴の気持ちに共感できず、理解も難しかったからだろう。

小説に限らずアニメ、漫画、映画など、これまでいろんな物語に触れてきたが、そのほとんどで共感、あるいは共感は出来なくても理解を示せた。

けれども、『山月記』は読み終えたときに他にない虚しさや冷たさに加え、どこか自分と切り離されたような感情だけが残った。

すでに出来上がっている仲良しグループの中に放り込まれた時のような居心地の悪さを感じている。

 

この物語で印象的なのは「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という言葉。

「プライドが傷つくことを恐れる気持ち」や「恥をかきたくないがために他人を退ける気持ち」を表現しているであろうこの言葉からは、李徴のアンビバレントな心情が読み解ける。

また、姿が虎になることで、虎の生態や見栄えからもその心理描写の機微がイメージでき、いかに李徴が苦しみ悩んでいるかが伝わってきた。

多分誰しも相反する気持ちを持つことはあるし、ジレンマを抱えることはとても苦しいことである。

その意味では『山月記』はとてもメッセージ性の強い物語のように思う。

それを踏まえたうえであえてもう一度言う。私はこの作品は気持ちの悪い物語だと感じている。

 

プライドも羞恥心も、多分誰しもが少なからず持っているものだろう。

ただ、李徴のそれは異常だと思う。

自分の才能に自信を持つのはいい。でもそれは妻子や友を失ってまでのものなのか。

詩人として名を残したいと思うことはいい。でもそれは人間としての自分を失ってまでのものなのか。

私には到底理解ができない。

邪推だが、李徴は人間に戻ることをあきらめ虎として生きていく自分を後悔していると同時に、「案外この姿も美しいな」と酔いしれているような気がしている。

今の一文はプライドも羞恥心も低い、低俗な人間の発言だと受け流してほしい。

 

私はエリート街道を生きてきてはないし、自分に才能があるとも思っていない。

李徴とは環境も才能も、土台部分が自分と全く違う。

そして、その土台によって築かれた価値観も自分と全く違う。

さらに、すべてが違う中でも気づく相手に対するリスペクトの要素も見当たらなかった。

私と李徴は決して交わることのない世界線を生きているのかもしれない。

もし同じ時代を生きていたとしても、私から李徴に近づくことはないだろう。絶対に。

(文字数:980字)

今まで読んだ物語で私と最も相性の悪い作品

今まで書いてきた読書感想文の中で一番強く当たっている内容になったかもしれない。

人を悪く言うのは自分が気持良くないし、なるべくなら避けたいと思っています。

だから、自分が嫌いだったり苦手な人間に出会ったとき、私はスッと心を閉ざし、可能な限り同じ空間にいないようにするのですが、今回は物語で架空のキャラクターが対象だったので私の毒気の部分を強めに出してみました。

たまにはこういうのも書いてもいいかなーと。

 

さて、物語についてですが、全体的な印象としては寂しさ…いや冷たさを感じました。

ただ、この冷たさは物語自体にというよりは、私の感情込みの印象でどうしてもこの内容を自分に落とし込めなかったからかもしれません。

小説に限らず、アニメや映画、音楽とかでも、共感は出来なくても理解できたりするけれど、『山月記』に関しては特に共感はしないし理解も難しいかなー。

私は人も食べ物とかも好き嫌いがあまりないし、自分と違う人種がいてもその存在を曖昧なままにしておけるのですが。。。

『山月記』はすごく強いメッセージ性を感じるし、それは伝わってくるけれど、それを嚙み締めた上で何か…嫌いかな。笑

 

『環境(外的要因)』と『才能(内的要因)』のどちらも違うし、おそらく『考え方』も『価値観』も全部が李徴と合わないんだと思う。

自分にないものを持っている人は魅力的だけど、それはどこかに『共感』や『憧れ』が含まれてるからなんだろうね。

『共感』も『憧れ』もない相手には魅力は感じないし、やはり極力関わらないのが最善手だなと感じました。

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『プライド』に対する現在地を測ろう

『山月記』は一言で簡単にいえば『プライド』の話かなと思いました。

『プライド』はネガティブな言葉として受け取られることも多いけれど、本来は『誠実さ』や『凛々しさ』みたいなイメージがあるものかなと。

「自分は何を大切にしていて、その信念をどれだけ貫けるか?」がプライドだと思うし、何かに誇りを持っている人はかっこいいとも思う。

 

ただ、私は『プライド』ってあまりないというか…そもそも『持つ権利がない』って感じてます。

『プライド』って頑張ってる人だけが『持つ』『持たない』を選択できると思っていて、そのステージにすら私は立っていないというか…まぁ『興味がない/どうでもいい』って感覚が出てきちゃう。

私のプライドの有無は周りが勝手に判断してくれればいい的な?

そんなことを思ってるから、『山月記』は「作品自体は面白いけど…」って気分になった気がする。

 

『プライド』って難しいものですよね。

高ければめんどくさいし、低ければ卑しいし。

うーん…プライドは『高い・低い』じゃなくて『(数が)多い・少ない』が重要なのかな?

『誇りを持ってる数が多い』って言うのは、どこか軽い感じがするよね。

『山月記』にグッと来なかった理由が判明

『山月記』についていろいろ調べてたら『意識高い系男子』とか『こじらせ男子』みたいな風に書かれていたりしました。

それでなんで『山月記』が全くグッと来ないのか納得したのですが、私は『意識高い系』が苦手なんですよね(;・∀・)

『意識が高いことが漏れてる意識の低さ』みたいな?

非科学的というか非論理的というか…その人は一体何がしたいのか理解するのが難しいのよ。。。

 

もちろん、このブログのいたるところで書いてますが、捉えどころがないものとか、よくわからないものは好きです。

でも、それは自分(私)の中で『点』と『点』は理解できるけれど、自分の知識不足や感覚の乏しさで『線』にならない状態だから好き。

「どうやったらすっきりするだろう?」と散りばめられたヒントを元に考えらえるから好きなんですね。

 

でも、『意識高い系』は整合性がない感じ?

おそらく、その人の中では辻褄はあっているんだけど、こっち側からしたら理解しにくいし、そもそも理解したいと思えるほどそんな人に魅力を感じない。

だから、苦手なタイプなんですよね。

これは「他人にあまり興味がない」っていうのも関係しているような気がします。

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まとめ:相性って大事

『山月記』は私とは相性の悪い作品でした。でも、作品内容は非常に面白かったです。

本だから相性が悪くても最後まで付き合えたかな。

 

心理ゲームではないけれど、『山月記』を読んでその感想を知れば、その人との相性の良さを実感できるような気がしました。

なんとなく私と似た感覚を持つ人は少数派のような気がしていて、『山月記』を読んで「李徴の気持ちもわかるなー」「そんな時もあるよね」って人が多数派なのかなと。

でも、そういう人であれば、私はしっかり話し合えると思うし、相手を理解しようとも思える。

少なくとも相性が悪いってことはないのでしょう。

逆に「これ俺(私)の気持ちを代弁してくれてる!」みたいな人とは、しっかり距離を置きたいと思います。笑

 

ちなみに、読書感想文では各段落で『多分』を使っていて、最後に『絶対』を使いました。

なぜかって?

今回のテーマが『プライド』だからです(*´ω`) <Maybe…Must be.




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