『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』を観てきました。
要所でグッとくるシーンもあるし「やっぱり外さないよなー」と感じる部分はありましたが、全体的な印象としては「前作、前々作と比較したらインパクトはなかった」かな?
映画館にいた時はそんな気分だったのですが、帰り道でぼんやり映画の事を振り返ってたら、「自分の直感は何か間違ってるんじゃないか?」と思う部分も。
なので、映画のざっくりした感想と自分が感じた『何か』に触れながら映画の感想を書いていきましょう^^
※以下、ネタバレも含んでいるのでご注意をm(_ _)m

『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』の感想
今作は大人よりも子供の方が面白いと感じた人は多いのかなーと、何となく想像しています。
アクションシーンが多くて、動物も出てきてパッと見て楽しい感じがスゴく伝わってきました。
あと、ボケの幅広さがいいですよね。
「忍法・日曜日の父ちゃん」から「ちゃん・リン・シャン」まで。
私が見逃してる笑いどころもたくさんあるだろうし、それぞれの立場で笑えるポイントが入っているのはさすがしんちゃんです。
加えて、中盤の回想シーンはグッと来ます。。。
しんちゃんのアルバムを覗いているような、長年観て来た人や歴史を重ねてきた人ほど涙率は高くなるでしょう。
お子さんがそれなりに大きくなった親御さんなら泣いちゃうよね。
ただ、一方で私は「前作・前々作ほどのインパクトは感じられなかった」のも確か。
映画を観て「ココが良かった」「アレが面白かった」をつらつら書くのもいいけれど、せっかくこれまでとは違った感じ方をしたわけなので、もう少し自分の感覚を分析してみましょう。
屁祖隠珍蔵が駄々をこねたシーンを振り返る
物語終盤、セリフははっきりと覚えていませんが屁祖隠珍蔵(へそがくれちんぞう)が「アクション仮面の踊りをみんなと踊りたい!」「ピザが食べたい!」など駄々をこねたシーン。
あのシーンを観た時、私は「子供だし、そういう風な気持ちになるよなー」と思いました。
珍蔵くんは忍者ということでずっと我慢してきて、地球を救うためにもののけにならないといけない立場の子。
でも、我慢していた気持ちが爆発して子供っぽくなった。
その姿を見て「子供は子供っぽくあるべきだし、なんか安心したなー」と映画を観ている時は考えてました。
けれども、改めて映画を振り返ったとき『何か』ひっかかりました。
そもそも屁祖隠親子が野原家に来たのは“屁祖隠ちよめ”が、「平々凡々な日常を送っている野原一家でなら珍蔵くんが自由に暮らせる」と思ったから。
要するに『珍蔵くんは当たり前のことが出来ない環境にいた』のですね。
子供は自由に生きてくべき。いろいろチャレンジしたり経験する中で、自由から制限や責任を理解していくもの。
そういった『子供の当たり前を取り上げられていた』のが、私が感じた『何か』だと思います。
そして、これが引っかかるのは『コロナ発生後の世の中で似たような事が起きてるのでは?』と感じたからかもしれません。
物語の主人公は子供たち
もし『日本』という物語があった時、その物語の主役は『子供たち』だと思う。
私は当然のように普段は自分が主役だと思って生きていますが、もっと広い範囲で考えた時、私はサブキャラ…いやモブキャラでしょう(; ・`д・´)<ミトメタクナイケドネ!
そう考えた時、子供の当たり前を取り上げるのは罪深いなーって。
珍蔵くんが生活していた日々は日常だけど日常じゃない感じ?
そう思ったら、いまの日本で自分が当たり前だと感じるような事を疑う必要もあると感じました。
アニメと現実は違うから完璧は存在しないけれど、事実を基に理想を描くよりはその間にあるグラデーションを描く。
その中で出来ることからやっていくのが良いんですかね。
映画では最終的に村と他の地域との交流が増えて(観光地になったのかな?)新しい暮らしが描かれましたが、現実世界もまずは『子供の当たり前』を取り戻す世の中になったら嬉しかな。
そしたら私は何のためらいもなく『私が主人公だ』と思いながら生きていけそうです (´_ゝ`)b
緑黄色社会『陽はまた昇るから』が素晴らしい
今回は緑黄色社会が担当、タイトルは『陽はまた昇るから』。
説明なんて野暮なくらい素晴らしい歌詞と楽曲ですが、少しだけ触れておきましょうか^^
私はタイトルが秀逸だと思っています。
『陽はまた昇るから』の“から”の部分がいいですよね。
悲しさとか寂しさとか、マイナスな気持ちを知ってるからプラスを考えられるという説得力。
大人になることの前向きさとか、すでに気づいている優しさとか感情を肯定してくれる力強さ。
“から”が理由にも後押しにも感じられるのが、聴いていて気持ち良いです。
今回の映画にぴったりの素晴らしい曲ですね^^
『もののけニンジャ珍風伝』は“子供のため”の映画
内容的にも主題歌からも、私は全体的に“子供のため”の映画だと感じました。
それは“子供向け”という意味ではなく、『子供が子供らしくいるためのもの』『大人が子供のためを思って』という意味。
もちろん、おバカもお尻も丸出しなので『現役の子供(?)』のための作品でもあるでしょう。
…一応『クレヨンしんちゃん』は子供向けアニメだから『現役の子供』のためって当たり前か(^^;)
冒頭で『もののけニンジャ珍風伝』が「前作、前々作と比較したらインパクトはなかった」と書きましたが、それは映画を観て伝わってきたものが私だけの課題ではなくみんなで考える課題だったからかもしれません。
みんなで考える必要がある分、力が分散してインパクトがなかったのでしょう。
それでも凄く考えたくなる作品だし、非常に面白かったです^^
総括すると、やっぱりしんちゃんの映画は最高ですね!ヾ(≧▽≦)ノ

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