『バラード』はケツメイシの曲の中でも上位の人気曲(15周年ライブではファン投票ランキング4位)、ファンならずともケツメイシの『バラード』を聴きたくなることはあるかもしれませんね。
一般的にこの曲の歌詞は『叶わない恋の歌』あるいは『不倫の曲』という認識がされているようですが、違った角度から分析をしてみると「こんな考え方もできるんじゃないか?」という事に気づきます。
私は『バラード』の曲の意味を「ケツメイシがファンに別れを告げた曲」だと勝手に解釈していますが、なぜそう解釈したのか?その理由を書いていきますね^^
『バラード』はケツメイシがファンに別れを告げた曲だった?
私が『バラードを「ケツメイシがファンに別れを告げた曲」だと解釈しているのは、この曲が『ケツメイシのそれまでのイメージとは違う新しい挑戦(曲のスタイル)をもう決意していた曲』に感じるから。
後で書いていますが、私は『バラード』は「女性を想う一途な男性の物語(歌)」だと思っています。そして、「女性」はファン、「男性」はケツメイシ。
いわば、『バラード』は「ファンを想うケツメイシからの歌」と認識しています。
「アーティストの評価をするのはファン(曲を聴いてくれる人)」です。
なので、「ファンが聴いてくれなければケツメイシの音楽は続かない」あるいは「その人には新しいケツメイシの音楽は届かない」のですね。
ファンは過去のケツメイシの曲が好きだっただけで、未来のケツメイシの曲も好きになる保証はないわけです。
ましてや、その未来というのが『(※)今までのケツメイシの音楽とは違った曲のスタイルになる』から、ファンがもう聴いてくれない可能性の方が高いかもしれない。
もし自分(ケツメイシ)が変わってしまう事を受け入れてもらえなかったら、ファンとはお別れしなくちゃいけない。そんな意味が『バラード』には込められているかなと。

『(※)今までのケツメイシの音楽とは違った曲のスタイルになる』の部分は『KETSUNOPOLIS 8』でガラッと曲調が変わったことから推測しています。
ケツメイシは変化しようとしていた?
ところで、「本当に既存のケツメイシのイメージとは違う新しい曲のスタイルに挑戦しようと決めていたのか?」というのは疑問に思うかもしれませんが、これは今となれば推測できそうです。
実際この次に出したシングルCD『こだま』を最後に、ケツメイシはトイズファクトリーからエイベックスに移籍をしました。(ベストアルバムは出したけどね^^)
そして、エイベックスに移籍をした後は曲調が大きく変わりました。EDM調の曲とか増えましたよね。
そう考えると、おそらくケツメイシは『バラード』をリリースする頃には「もう環境を変える決意をしていたのでは?」と言えるかもしれません。
私は移籍とケツメイシの音楽性の変化に深い関係があるとは思っていませんが、結果的には移籍したことで「ケツメイシの音楽が変わった」というようには感じます。
もしかしたら、移籍前のケツメイシの音楽が好きだった人にとっては、曲の雰囲気が変わった事を残念に感じた人もいたかもしれません。そして、中にはケツメイシの音楽を聴かなくなった人もいたかもしれません。
そういったファンに対して「それなら好きなまま別れを選ぼう」と、そんなケツメイシの想いを『バラード』では歌っているように感じます。
要するに
みたいなメッサージが込められているのではないか?ということ。
ちなみに、この不安な気持ちに対する答えが次のシングルの『こだま』になるわけですが、『こだま』はケツメイシの中でもかなり重要な曲だと私は感じています。(コチラも私の勝手な解釈です!)

以上の事から『バラード』は「ケツメイシがファンに別れを告げた曲」と私は解釈しています。
『バラード』は「女性を想う一途な男性の物語(歌)」である
裏テーマは「ケツメイシがファンに別れを告げた曲」なんじゃないか?と思っていますが、もちろん素直に受け取ればまた別の意味があります。
素直に受け取るなら『女性を想う一途な男性の物語』というのが私の解釈になります。
『バラード』は『叶わない恋の話』がテーマの曲となっていますが、結局のところ「この2人ってどういう関係性で、どんな物語があるかはわからない」と思います。わからないというよりは、それぞれで解釈していいのかなと。
いろんな含みを持たせてることで、たくさんの人が共感できたり、気持ちを動かしてくれる仕掛けをしているのかもしれません。
明確に「答えはコレ!」というのではなく、曲を聴いた人、MVを観た人それぞれが感じたことが答えの一つとして考えていいのではないでしょうか。
それを踏まえた上で、私は『バラード』は「女性を想う一途な男性の物語」だと思ってます。
的外れかもしれませんが、こう考えた理由を説明していきますね。
物語を勝手に妄想解釈してみよう
まず、この曲は男性目線の歌詞。女性の可能性もゼロではないかもですが、一人称が『僕』ですし、まぁ男性です。
男性の立場ですが、RYOさんのパート『一人きりは寂しすぎて』というフレーズから独り身である事が伺えます。
一方で女性の立場ですが、男性が「次は君の家で」という言葉が言えなかったり、「僕が逢いたい」と言えなかったりすることから、女性には誰かパートナーがいると推測できます。
この時点で男性は「女性に自分ではないパートナーがいることを知ってる」と分かりますし、「自分からは連絡できないことも理解してる」のが分かりますね。
少し進んで、、、Ryojiさんのパート『一人きりより 二人寄り添い 一人きりの日には電話するよ』というフレーズ。
この『一人きり』の対象は女性なのかなと。なぜなら、男性は独り身ですから常に一人なわけです。だとすると『一人きりの日』があるのは女性側。
だから「寂しいなら電話するよ」と言っているのですが、男性からは連絡できないんです。それは主導権は女性にあるから。
『寂しいくせに 何食わぬ顔で 僕を見送る君が愛しくて』というのは、女性が一人きりで寂しい事に男性は気づいている。女性はパートナーに蔑ろにされているのかもしれません。(。-`ω-)ムムッ
それでも女性は男性と逢うと何食わぬ顔をしているわけです。だんだん泣けてきましたね(´;ω;`)
サビを挟んだ次のRyojiさんのパート『君と出逢ってから僕は 本当の切なさ覚えたよ』となりますが、「本当の切なさ」というのは、切なさの中でも初めて体験する切なさになってるわけです。
男性と女性は想いあってるはず。でも、女性には別のパートナーがいる。でもそのパートナーとは上手くいってない、あるいは女性は今はそれほど気持ちが入っていないのかもしれない。
「だったら俺が!…」という気持ちに男性はなるのです。なるのですが、自分からは連絡はできないんです。でもケイタイは鳴らないんですね。。。
で、サビ後のラスト、大蔵さんのリリック。
『電話を切ると静寂の雨 「またね」と何度も響く夜の果て』
電話来たんです! …でも、その電話の内容は「またね」だったんです。。。しかも、寂しさを隠して無邪気な声で。。。
女性は別れを選んだわけですね。
ずっと女性のことを考えていたのに報われなかった男性の想い、晴れますか…?
—ここまで—
こんなイメージですか。
こんな感じにとらえているから、私は『バラード』を「女性を想う一途な男性の物語」と認識しているわけですね。
女性に主導権があると考えたのは、『バラード』という曲が「ケツメイシがファンに対して別れを告げた曲」だと私が思っているからで、ケツメイシが男性、ファンが女性とした場合に主導権を持っているのはファン側にあると考えているからです。
自分たちの曲を聴いてくれる人は別に『ケツメイシの曲だけ』を聴いているわけじゃない。他のアーティストの曲も聴いている。それはわかっているから、今までの自分たちから変わってしまうことで、ファンが離れてしまうかもしれない。それで曲を聴かなくなってしまったとしても、それは仕方がない。それでも最後にこの曲を聴いてほしい。
みたいな、そんな想いを伝えているのではないでしょうか。
解釈はもちろん間違っている部分がたくさんあると思いますが、深く読み解こうとするだけでも、その曲の本質みたいなのがぼんやり見えてくる感じはします。
とりあえず、いい曲というのは上手く言語化できなくても心で感じられるのはわかりましたね(*´ω`*)
ただ、『バラード』はこの1曲だけで完結する曲ではないでしょう。
ココに『バラード』の歌詞の分かりにくさと面白さが詰まっていると感じているので、もう少し書いていきますね^^
『バラード』の歌詞が分かりにくいと感じる理由
『バラード』の歌詞って分かりにくいと感じるのは私だけではない…ですよね?
一つ前に出したシングルは『闘え! サラリーマン』でしたが、この曲はストレートな(わかりやすい)歌詞ですし、「酒だ!会社だ!」でケツメイシ臭がプンプンです。
『闘え! サラリーマン』に限らず、それまでのケツメイシの歌詞は分かりやすくて馴染みやすい曲が多いですよね。
それと比べて『バラード』はどうでしょうか?
もちろん歌詞で言ってることは分かりますし、ケツメイシらしさもあります。でも、明らかに歌詞の難易度が上がってませんか?
『難易度が上がった』を別の表現でするなら『今までよりも歌詞が抽象的』になっていませんか?
私は最初『バラード』の歌詞を読んで「んっ?どういう意味だ…?」、MVを観ても「どういう関係なんだ…?」となりました。
登場人物の関係性がはっきりとイメージできなくて、最初は「…経験不足か?(。-`ω-)」とも思いましたが(笑)、そういう類の疑問ではなさそうです。
それで一般論も参考にしながら歌詞分析をしたのですが、私が感じた違和感はMVに登場する2人がどういう関係かを明らかにすることでスッキリするものではありませんでした。
「じゃあ、この違和感の正体は何?この曲に違和感を覚えたのは気のせいじゃないはず!(゚Д゚)ノ」
と調べていくうちに、この疑問を解決するきっかけを見つけました。それは『バラード』が両A面シングルだったということ。
『バラード』は『君とつくる未来』という曲との両A面シングルで発売されたCDなのですが、「なぜ両A面で発売されたことに意味があるのか?」この点を深堀りしていきましょう^^
両A面シングルで発売されたのはなぜ?
両A面で発売されたのは『聖なる夜に/冬物語』以来、この曲で2度目になります。
『聖なる夜に/冬物語』はざっくりとクリスマス前の幸せな気分とクリスマス後(?)の別れの気持ちの歌になっていますが、つまりは対比になっているわけですね。
とすると「『バラード/君とつくる未来』も対比になっているのではないだろうか?」と気づきます。
そう考えると、『バラード/君とつくる未来』は「過去/未来」あるいは「別れ/出逢い」の対比になっているように感じます。
『聖なる夜に/冬物語(2007年発売)』はノンタイアップでしたし、ライブチケットの先行予約シリアル番号が同封されてたのでCDを売るプロモーションの意味があったと思いますが、『バラード/君とつくる未来(2011年発売)』はタイアップがありましたし、この頃にはもうCLUBケツメイシ(ファンクラブサイト)が出来ていて、そちらでライブチケットの先行予約ができた…はず。
CDから配信に変わっていく時期でもありましたし、どちらもいい曲だから両A面シングルにしたのもあるかもしれません。
ただ、私はケツメイシの魅力の一つに『アルバムやカップリング曲のクオリティの高さにある』とこのブログで書いていますから、わざわざ両A面シングルにする必要はないと思ってます。

むしろ『君とつくる未来』をカップリングにして「また隠れた名曲が誕生した!」とほくそ笑みたかったです。
でも、ケツメイシが両A面シングルにしたということは「やっぱり何か意味があったんじゃないかな?」と。
そして後に分かるのは、先ほども書いたように移籍や新しい音楽への挑戦。環境も音楽性も大きな変化がありました。
その事を暗示していたのが『バラード/君とつくる未来』という曲。
『バラード』は「今までのファンが離れてしまうかもしれない不安」を、『君とつくる未来』は「それでもファンでいて欲しい希望」をそれぞれ歌っている曲なのかもしれません。
こんな風に『バラード』だけに焦点を当てるのではなく、ケツメイシというグループに焦点を当てると、『バラード』が一般的に言われている歌詞分析とは違う曲に聴こえてくるのですね。
あくまでも私の勝手な解釈なので、これが事実ではないでしょう。ただ、一般的に言われていることだけが事実だとも思いません。

人によって歌詞の感じ方が違う。だから『バラード』は素敵な曲なのかもしれませんね^^

『バラード』のMVを観てみよう!
ここからは一般的に言われている『バラード』の解釈を書いていきますね。
まずはMVを観てみましょうか。
おーい、おいおい(T_T)
いやー泣けますね。おいおい泣けますよ。
私にもこんな経験があったかもしれないし、なかったかもしれない。あったような気もしますし、なかったような気もします。。。
まぁ、そんなのは別にどうでもいいので(笑)、先に出演者の方に触れておきましょうか。
MVに出演している俳優&女優はこの2人
男性の方は和田聴宏(わだ そうこう)さん、女性の方は松岡音々(まつおか ねね)さんという方です。
和田さんは現在もいろんなドラマに出演されている方ですね。
私が観ていたドラマで言えば、『あなたの番です』とか『下町ロケット』に出演していた時の印象があります。
松岡さんは存じ上げてなかったのですが、CanCan等の女性誌などでも活動。『花咲舞が黙ってない(第2シリーズ)』などドラマにも出演された方のようです。
映画のワンシーンのような『バラード』のMVの世界観にぴったりなお二人ですよね。やっぱり美男美女だと絵になりますな(´▽`*)
MVや俳優・女優さんのを確認したところで『バラード』の歌詞分析をしていきましょうか。
『バラード』の歌詞分析-叶わない恋の話、不倫の曲を検証
基本的に『別れの曲』というのはわかるので細かいことは書きませんが、要所は確認しておきましょう。
『バラード』は別れの曲であり、複雑な恋愛なのは感じられますね。それは以下のフレーズからもわかると思います。
だから「次は君の家で」なんて言葉 胸の中秘めて 引用元:バラード-ケツメイシ-歌ネット
普通の恋愛であればこの言葉は言えるはずですから、それを言わないということは何か事情があるのでしょう。
歌詞を読めば恋愛をしていたことはわかりますし、それが終わってしまったわけですから『叶わない恋の話』というのは正しいのかなと思います。
ただ、一部で言われている不倫という確証は歌詞を読むだけでは私はわかりませんでした。浮気かもしれないし。。。(-.-)
いずれにせよこの歌は『叶わない恋の話』なんですね。
既婚者はどっち?2人はどういう関係なの?
『バラード』の歌詞やMVを観ていると「どっちが既婚者なんだろう?2人はどういう関係性なんだろう?」というところは気になるポイントではありますね。
ネット上でもいろんな意見があって、どれも正解でどれも間違っているような…ただ、バシッと「答えはコレだ!」というものは見つからなかった気がします。
MVの設定だと男性側が既婚者と言えるでしょう。ただ、歌詞を読んでみると女性側が既婚者と考える方がしっくりきます。
ダブル不倫と考えることもできますし、そもそも既婚者じゃないと考えることもできますし、2人がどういう関係性なのかは判断できないですね。
けれども、考えれば考えるほど『バラード』という曲が『単純な男女の叶わない恋を歌っている曲ではない』という気持ちにはなってきます。
おみくじに書かれている言葉の意味は何?
歌詞だけではイメージしづらいところをMVを観ることで分析してみましょうか^^
注目すべきシーンは2:11~に流れる恋みくじのシーン。
ここに書いてある恋の歌はこのように書かれています。
「心では恋の闇と知ってるけれど 切るに切れない愛のきずなか」
このおみくじの内容、調べてみたら実際に存在するおみくじの言葉だということがわかりました。意味は以下のようになっています。
「恋の闇路に踏み迷うて 愛情を経ち切ることが出来ないような 道ならぬ不倫の恋に傷つくことがありますが、切なく苦しくても心機一転して誠の愛に生きましょう。気運は登り坂に来ています」 引用元:http://34h-21.jugem.jp/?eid=135
「不倫の恋に傷つく」とありますから、『バラード』が不倫のことについて歌ってるという分析はここから出てきたのでしょう。
まぁ、おおっぴらに「今回は不倫の曲を歌いました!」とは言えないですし、公式YouTubeにテーマは『叶わない恋の話』と書いていますから、『叶わない恋の話』をテーマにした曲と認識しておくのがいいかなーとは思います。
セリフは何て言ってるの?
『バラード』のMVで気になるところと言えば、「セリフは何て言ってるのだろう?」というところ。
セリフがわかれば2人の関係性は明確にわかるのですが、読唇術ができる人でない限り何て言っているのかはわかりませんね。
唯一わかるのは『5:17~』の男性側のセリフ「何やってんだろう…」ですか。このセリフから『何かに対して後悔している』のは読み解けます。
あとセリフ内容はわかりませんが、『1:45~』で男性が電話をしている様子とそれに対する女性の反応で、男性側に奥さんか…誰か別の女性の存在は何となく感じ取れます。
また、『2:55~』で今度は女性が電話している様子を見ると、もしかしたら女性側にも旦那さんか…誰か別の男性の存在がいる?と予想できるかもしれません。ただ、友達に電話しているだけかもしれないので断定はできないですね。
セリフに関しては詳しくは分かりませんが、2人ともが「このままの関係じゃダメだ…」と理解しているような気はします。
結局、MVから分析してみても明快な答えはわからないですね。本当の事を知るのはケツメイシのメンバーたちのみでしょう。
私は答え合わせをしたいタイプではないし、『バラード』の本当の意味を知りたいとは思わないので、分析するのはここまでかな。
音楽ってそれぞれの解釈があっていいと思うし、何度も聴いていくうちに受け取り方が変わることもあると思う。
自分が納得するまで何度もこの曲を聴くのが、疑問を解決する一番の方法かもしれませんね。
まとめ:『バラード』にはそれぞれのストーリーがある
最後にケツメイシ『バラード』に関する今回の記事の解釈をまとめておきます。
私は基本的にバラードソングはあまり好きではないです。それは単語に重みがあり過ぎて、言葉が軽く感じられるから。
でも、ケツメイシの『バラード』は言葉の重みを感じます。それは歌詞の意味を簡単に解釈できない(明確な答えがわからない)からかもしれません。
言葉にすれば簡単だけど、その言葉の裏にはいろんな意味が含まれている。それが言葉を軽く感じない理由なのかな?
それぞれが感じたストーリーで解釈していいと思います。
いずれにせよ、ケツメイシの『バラード』は数あるバラードソングの中でも上位に素敵な曲。
バラードという単語に含まれる物語性を感じて、私はすごく好きな曲です^^
これからも分析したくなるような曲が増えると、個人的には嬉しいですね。
※この記事は私の勝手な分析になります(*´ω`*)
コメント