第80話「14時45分」
ゆーじの自由時間
前回のコラム・第79話「きちょうめん」はこちらから。
さて、年内にしておかないといけない最も大事なことがありますよね？
「大掃除？」
「来年の目標を決める？」
違います。『お年玉の準備』です。
お年玉の準備の話で今年を締めましょう。今回のテーマは「疾走」。
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お年玉なので一応『新札』を準備するじゃないですか。
それで「あっ、銀行行かなきゃ！」って思い出して、時計を見たら14時30分過ぎ。予定的に今日を逃したら銀行に行く時間が取れない。
最寄り駅のところにある銀行まで7～8分、すぐに準備して銀行へ。
14時40分過ぎに到着して、お金をおろそうと思ったら『このキャッシュカードは有効期限が切れています』の文字が。
「えっ？」っと思ってカードの有効期限を確認したら、2025年の1月で期限が切れてた…。
キャッシュレス時代、確かに銀行にほとんど行かなくなったとはいうものの、まさか1月の時点でもう有効期限が切れてたとは思わないよね。笑
まぁでも、おろせなくてもとりあえず両替さえできればいいかと思って、両替機のところに並んで財布の中を確認したら織田裕二よろしく、お金がない。
『うわっ、こないだの飲み会で現金使ってたわ…』
これはもう選択肢は一つ。
とにかく家に帰って新しいキャッシュカードと、
万が一の時のために用意してる少々のお金を取ってくるしかない。
でなきゃ、私のお年玉を待っている子供たちに軽蔑の目を向けられてしまう。
時刻は14時45分ちょうどを指していた。
家からこの銀行まで7～8分、往復で約15分、プラスお家でキャッシュカードやらを探す時間。
銀行は15時まで、そして両替機の利用も15時まで。残された時間は15分。
もう走ったよ。めっちゃ走ったよ。
不思議なもんでさ、極限状態とは言わないけれど、人は追い詰められた時ものすごく頭が回るのね。
ただがむしゃらに走るもんだと思ったら頭の中は意外と冷静で、
『あっ、あそこの信号でどうせ信号待ちするから、そこで休めばいい』
『家着いたらエレベーターで呼吸を整えられるから、きついけど無理しよう』
そんなことを考えながら走ってた。
それで、お家に着いたのが14時51分。もともと銀行に行く予定だったから幸いにもテーブルの上に新しいキャッシュカードと現金が。
すぐに手に取って、エレベーターに乗って呼吸を整える。
そして降りてすぐに猛ダッシュ。
こういう時って神がかるんだよね。信号で止まらない。
ほんとに必死なヤツを神様は見ているのかもね。
そして、銀行に着いて時計を見たら14時58分！なんとか間に合った！
言えば多少は融通を利かせてくれたかもしれないけれど、お金をおろす時間はないと判断してそのまま両替機へ直行。
キャッシュカードだけでなく現金も一緒に持ってきたから、そのお金で無事に両替を実行。
そのタイミングで警備員さんの「15時になったのでこちら側を締めます」の声。その声が店内に鳴り響く中で開く投入口。
私は無事に新札を手に入れることが出来ました。
『備えあれば憂いなし』とはよく言ったもの。
「もし最寄り駅までの時間を把握していなかったら？」
「もし家に現金を用意していなかったら？」
「もし普段から週に3～4回のランニングをしていなかったら？」
いろんな準備を常日頃からしていたおかげでこのピンチを乗り越えることが出来た。
勝負を分けるのは、『普段の行い』と『際で出し切る精神力』なのですね。
『アラバスタの内乱』じゃないけれど、決して語られることのない戦いがそこにはありました。
これは子供たちに話す内容じゃないと思うから、お年玉を渡すときにこの話はしない。
でも、こんな戦いもあるとは後世に残したかったので、ここに記しておきました。
今年もお世話になりました。なんとか無事に年が越せそうです。
来年もよろしくお願いいたします。
「…最初からキャッシュカードの有効期限を把握してれば良かったんじゃね？」
そんな正解を出しちゃう人は嫌いだよ！(｀▽´)ﾍﾞｰ 笑
【次回予告：テーマ「○○」】
～準備～
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