第13話「“夢”の立ち位置」

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前回の【 第12話「“共感する”って言葉が苦手な理由」】では“共感”について言語化していきましたが、今回は“夢”について考えてみましょう。

「“夢”はあった方がいい」という人もいれば「“夢”なんて持たなくても大丈夫」という人もいますよね。

私は…まぁどっちでもいいと思ってます。あった方が頑張れるなら持つべきだし、なくても頑張れるなら必要ないかなと。

そんな『“夢”を持つ・持たない論争』は今回どうでもよくて、それよりもずっと引っかかっていた表現があります。

それは“将来の夢”という言葉。

子供の頃から何かと耳にしたこの言葉ですが、ずっと違和感があった。

この違和感の正体を今回は探っていきます。

私の中にある最も古い記憶、幼稚園児の時に起きた出来事から文章を書いていこうかなと。

あの頃はモヤモヤの正体が分からなくて困ったけれど、今の自分ならその正体を掴める。

今から君を助けにいきます!もう遅いけどね!笑

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幼稚園のお絵描きの時間で「“将来の夢”の絵を描きましょう」というのがあった。

周りの子たちが思い思いに絵を描く中で、私は画用紙は白紙のまま。

もう描き終わって帰りの支度をする園児が増えてきても私は何も描けず、気が付いたら泣いていた。

見兼ねた先生が「ゆうくんはサッカーが好きだよね?」と声をかけてくれて、私はサッカー選手になった自分の絵を描き、何とか“将来の夢”の絵を描くことが出来た。


幼稚園児くらいの年齢なら何も特別な出来事ではないかものしれません。

けれども、私が泣いた理由はおそらく世間一般が思うソレとは違います。

「何を描けばいいか分からないから泣いてたのかな?」とか「自分だけみんなより作業が遅れたから泣いたのかも?」とか。

もちろん、それもあったかもしれませんが、私が泣いた一番の理由はコレじゃないんです。

私が泣いた理由、それは「“将来の夢”でサッカー選手の絵を描いたらその“夢”は叶わないと思った」から。

つまり、“描けなかった”じゃなくて“描きたくなかった”のです。

でも、『描かないといけないしどうしよう…』と思ってたら先生が声をかけてくれた。それで『まぁ先生が言うなら…』ということで絵が描けたわけです。

この頃から他人に責任を擦り付ける末っ子気質が表れてますね。最低です。笑

ところで、なぜ私は『“夢”が叶わない』と思ったのでしょうか?

この理由や自分の感覚が分からなくてあの時は泣いたのですが、今の私ならゆーじ君の気持ちを言語化できます。

私が『“夢”が叶わない』と思った理由。。。

だって“将来の夢”ってヘンな言葉だもんね?

私にとって“夢”は“現実ではないもの”という意味合いが強い。

だから、あの時にサッカー選手の絵を描いたら『現実じゃなくなっちゃう!』ってなるから描きたくなかった。

もちろん“将来の夢”の一般的な意味くらい分かりますよ。

でも、私にとって“夢”という言葉の感覚は“理想像”ではないのです。

「“夢”のような時間を過ごした!」「コレが“夢”なら冷めないで欲しい!」

私にとって“夢”という言葉は『過去』あるいは『現在』で実際に起きた出来事に使うもの。

現実離れしてるのに実際に起きた。それこそが“夢”だと思っています。

だから『将来』という言葉に“夢”は相応しくない。

それに『未来』に対して“夢”という言葉を使うのは想像できちゃうから面白くない。

やっぱり自分の思い通りに物事が進むよりも、自分が想定してなかった出来事が起きた方がずーっと面白い。

それこそ、以前【第3話「この道を行けばどうなるものか」】で書いたように自分が高校に行って講義をするなんて全く想像してなかった。

でも、そこで出会った学生たちの可能性に触れて刺激を受けたし、いろんな発想や考え方に触れられてものすごく面白かった。

描けた時点でそれはもう“夢”としての価値が下がってしまう。

極端なことを言えば“将来の夢”という言葉は、私にとっては“思い描いてるけど実現しない未来”の意味。

「そうなったら“夢”だなー」って気持ちのままなら、私はいつまでも行動を起こさない。

だから、この先の人生で未来に向けて“夢”を持つことはない。

「別にお前に“夢”があるかどうかはどうでもいいけど、“将来の夢”が持てない人生なんて悲しくない?」という心の声が画面越しに聞こえてきました。

ただ、これは『感覚の違い』ってだけかなと。

一般的に使われてる“将来の夢”の意味を自分の感覚で置き換えると、それはただの“目標”に当たると思う。

本気でソレを将来やってみたいと描いたのなら「どうやったら実現できるか?」の筋道を立てるし、行動を起こしてるはず。

まぁ“夢”って言った方がロマンティックではあるけどね。あいにくリアリストなもので。。。

なんかこの辺の感覚って、『個性』とか『性質』みたいなものかなと。

おそらく“夢”と“目標”の違いって“感覚派”か“理論派”かの違いで捉え方が変わるだけで、ニュアンスはどっちも同じみたいなものだと思う。

だから、争う部分じゃないと思うし、『夢を持つ・持たない論争』は本当にどうでもいい。

その辺りは自分で落としどころを決めればいいですね。

“将来の夢”という言葉がしっくり来てるなら、余計な事は考える必要はないでしょう。

“夢”に関しての言語化はこのくらいでいいや。

いま考えると、私は小さい頃からどこか頭でっかちなタイプだったのかなぁ。

こういうタイプって知識と経験がないとカッコがつかないから、もっと勉強して、もっとチャレンジしないとダメですね。

でも、もしあの時「将来の目標の絵を描きましょう」と言ってくれたら…私は今頃サッカー選手だったかもなぁ。笑


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