第39話「世界一面白い童話」

第38話「アディオス」では『伏線』をテーマに書きました。
ナンセンスや短編集など伏線を必要としない物語はありますが、大抵の物語には伏線があって、読み終えた後に「実はアレが重要な場面だったんだ!」と気づく面白さがあるかなと。
伏線は小説や漫画に限らず、童話のように幼児が読む作品でも採用されている。
そこで、今回はいろんな童話の中で私が世界一面白いと思っている作品『ブレーメンの音楽隊』を軸に何か書いていきましょう。
今回のテーマは『裏切り』がしっくりくるかな。
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『ブレーメンの音楽隊』がどんな物語か簡単に。要約するこんな感じですか。
年老いて働けなくなったロバ、イヌ、ネコ、ニワトリが音楽隊を目指してブレーメンへ向かう。
途中で盗賊の家を見つけ、4匹が力を合わせて追い払い、家に住みつくことに。
結局ブレーメンには行かず、楽しく暮らした。(詳しくは『ブレーメンの音楽隊-Wikipedia』で)
なんてことない物語。むしろ唐突な展開で伏線もなく物語としては駄作な感じもする。
例えば『桃太郎』なら、『鬼がいる(伏線)⇒鬼退治する』と流れがあって、それを回収する(伏線というか前フリですが…)。
でも、『ブレーメンの音楽隊』は「ブレーメンへ行って音楽隊になろう!」⇒「盗賊の家で仲良く暮らしました」という結末。
読む人によっては「何だこの終わり方?」と思う人もいるでしょう。
「追い出された動物たち」⇒「仲良く暮らした」という意味では物語は成立しているけれども、「ブレーメンに行く」⇒「盗賊の家で暮らす」はココだけにフォーカスしたら納得は出来ない。
ただ、私はこの結末が面白いと思った。
唐突に、脈絡なしで終わるナンセンスなこの結末がなぜ面白いのか?
ココをスッキリさせましょう。
いつかのコラムで書いたような気もするけれど(探すの面倒…笑)、面白い物語のキーワードは『裏切り』だと思う。
例えば、『本能寺の変』は明智が織田を裏切ったから物語性があって、多くの人が関心を示すのかなと。
それはネガティブな裏切りだけじゃなくて、敵が味方になる裏切りもしかり。『ドラゴンボール』のベジータとか。
『裏切り』っていうのはドラマを生むから面白いのですね。
じゃあ『ブレーメンの音楽隊』はどうか?
別に物語自体に『裏切り』が存在するシーンはないし、終わり方も唐突。それなのに結末が面白いと感じる。
おそらく、面白いと感じるのは『勝手にコッチ(読み手)が伏線を張ってたから』だと思う。
いろんな童話を読んだけれど、そのほとんどが『課題(話題)』⇒『課題(話題)解決』してる(失敗パターンもあり)。
パターンが分かってるから『ブレーメンの音楽隊』を読んだ時も「どうせブレーメンに行って音楽隊になって楽しく暮らすんでしょ?」と予想しちゃってる。
そしたら、ブレーメンに着くどころか途中で“答え”を見つけちゃった。全く予想だにしない結末。
『ブレーメンの音楽隊』はナンセンスな終わり方だけど、『他の作品たちがフリになっているから予想外の結末に面白さを感じてしまった』という訳ですね。
物語自体はナンセンスだけど、童話全体で捉えると裏切った作品。
それが『ブレーメンの音楽隊』であり、私が『世界一面白い童話』と感じてしまった理由なのでしょう。
こんな風に考えると『物事は一度複雑にした方がいい』ような気がします。
最初からずっとシンプルだけだと味気ないし、いろんなことを経ているからシンプルとかナンセンスみたいなものが活きてくる。
いまなら何だって注文できるから『チキンライス』がいいし、いろんなラブソングが溢れるから『常套句』がいいみたいな。
もし『ブレーメンの音楽隊』を一番最初に読んでいたら…この感覚は身に付かなかったんだろうね。順番って大事ね。
それと、仮に人生を物語と捉えるなら、やっぱりいろんなことに挑戦した方がいいのでしょう。
そしたら、成功しようが失敗しようがどこかで“答え”が見つかる。
やりたいことがあったら一度やってみるが“答え”への近道ではありそうかな。それが正しいかは知らんけど。。。
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