第95話「ついに問屋を卸させた」

私は迷っている。
今日は友人とBリーグの試合を観に行く予定だが、どうやって試合会場まで行こう。
自宅から試合会場の最寄りの駅までの距離は約2kmと少し、歩いたら30分で到着する距離である。
ただ、徒歩30分はなかなかしっかりした距離だ。
インスタントラーメンのパッケージに描かれている具材くらいしっかりしてる。
共通点は「軽くはないけれど、やれば出来る」というところ。
ただ、ラーメンは食べることが目的だが、今回の目的はバスケ観戦だ。目的を果たす前の手段に見合った労力と言えるだろうか。
やはりここは無難に電車で行くべきかもしれない。
乗り換えを調べてみると自宅の最寄り駅から会場の最寄り駅まで12分。この情報だけなら電車で行った方がいいと思うだろう。
だが、そうは問屋が卸さない。
電車賃は450円、地味に高い。
しかも、乗り換えが2回。なぜ徒歩30分で行けるのに乗り換えが2回も必要なのか。不便を超えて不憫だ。
もっと言えば、自宅から最寄り駅まで10分ほど歩かなければならない。
歩けば30分で着く場所に、所要時間22分と料金450円をかけてまで行く気にはならかった。
別に急いでいるわけではない。他の手段を考えよう。
電車がダメならバスはどうだろう。最寄りのバス停は自宅から2分のところにある。
問題はこのバスが会場の近くまで行くかだが、検索すると目的地周辺に停まるではないか。
料金は250円。電車よりも安い。これで決まりだ。
だが、そうは問屋が卸さない。
乗車時間を調べると25分かかる。バスは最短距離で目的に行くわけではない。あみだくじのように右折左折を繰り返し、細かく停車する。
「さっきの信号を右に曲がってくれたら、もっと早く着くのに」なんてことを考えながら目的地に向かうのはなんか嫌だ。
別に急いではないけれど、効率が悪いのは違う。無駄なことは友達や恋人がいるから成立するのであって、自分一人で行動する場合は効率重視で生きていたい。
歩けば30分で着く場所に、所要時間27分と料金250円をかけてまで行く気にはならなかった。
結局、徒歩で試合会場まで向かうことにした。
帰り道。行きと同じように歩いて帰った。
違っていたのは地図アプリを開かなかったことと行きより5分早く到着したこと。
きっと自分が感じてた以上に楽しかったのだろう。
次の試合観戦、私は迷わない。

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