第14話「サッカーとはプロセスを楽しむスポーツである」
前回の【第13話「“夢”の立ち位置」】でサッカーについて話題が出たので、今回はサッカーについて考えてみましょう。
私はサッカーが好きですし、書こうと思えばいろんなことが書けますが、今回は『サッカーの定義』について書こうかなと。
ちなみに、調べたところ≪11人ずつの二つのチームが、手以外を使って、互いにボールを相手ゴールに入れ合うスポーツ≫というのが百科事典による定義となっていました。(引用元:サッカー|改訂新版・世界大百科事典 - ジャパンナレッジ)
ただ、ここで考えたいのは自分なりのサッカーの定義。
以前【FOOT×BRAIN】の統計学の放送回で、統計学的に見るとサッカーは『先手必勝のスポーツである』と定義付けた時がありました。
例えば、J1リーグの試合では先制点を奪ったチームは60~70%の確率で勝利、逆転勝ちする確率は10~15%の確率。
つまり、統計学的に見ると『サッカーは先制点を取れば80~90%の確率で負けない』ということですね。
もちろん、年度やカテゴリーが違えば多少ズレも出るし、海外リーグやアマチュアでは違う結果になる可能性もあるけれど、データとしては先制点を奪うと勝ちやすいのは事実。
だから『先手必勝のスポーツ』と言えるですね。
そして、こんな風に私もサッカーを自分なりに定義づけしたいなと思った次第です。
では早速、私が思うサッカーの定義付けをしましょう。
サッカーとは『プロセス(過程)を楽しむスポーツ』である。
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野球やバスケットボール、バレーボール、ラグビーなどなど、2チームが得点を奪い合う球技はいろんな種類がありますが、サッカーが他の球技と比べて圧倒的に違うのは『得点が入りにくい』ところかなと。
これは何となく感じるだろうし、実際にその通り。
サッカーで最も多いスコアは『1-0(0-1)』と言われていて、確率は15~20%。次いで『2-1(1-2)』が10~15%で、以下『2-0(0-2)』が10~13%、『1-1』が10%前後、『0-0』が7~10%、『3-0(0-3)』が5%前後くらいがおおよその目安とされています。
つまり、だいたい70%の確率で1試合を通して両チーム合わせても3点以下の得点数にしかならないということ。
バスケなら3P一発、開始5秒くらいでスコアとしてはサッカーを上回ることもあるかもしれません。
データからもサッカーは特に『得点が入らないスポーツ』と言えるのが分かります。
この事からも結果よりプロセスに比重が大きいと考えられるのではないでしょうか。
さて、「点が入らないとつまらなくない?」と感じる人もいるでしょう。
確かに得点が生まれた方がサッカーは楽しいですが、『得点が入らない=つまらない』の答えは“NO”かなと。
それは国連加盟国以上の国と地域でサッカーがプレーされていることからも言わずもがなでしょう。
結果が出にくいスポーツなのに世界中の人たちが熱狂していることからも『得点が入らない=つまらない』とは考えにくい。
逆に「得点がたくさん入るようにしたらもっと面白くなるんじゃない?」という発想もありますよね。
私はこれも“NO”かなと。
検証するためにちょっとサッカーのルールを変えて、得点がたくさん入るようにしてみましょうか。
得点がたくさん入るようにするだけなら方法は簡単。『オフサイド』のルールをなくしてしまえばいいのです。
『オフサイド』は簡単に言えば『待ち伏せ禁止』というルール。
ちょっとオフサイドのないサッカーを想像してみましょう。
ハナタレFCがコーナーキックをゲット。
敵・味方の選手がゴール前に集まっています。そんな中、ハナタレFCのゆーじ選手だけが相手チームの陣地で待ち伏せ、マークがついていません。
コーナーキックをキャッチしたキーパーが相手陣地に残っていたゆーじ選手にロングボール。
ボールを受けたゆーじ選手は相手キーパーと1対1。
プレッシャーのない状態では輝くゆーじ選手、ゴールを決めて大喜びました。
というように、サッカーはピッチが広いので、オフサイドの反則がなければゴールは簡単に入るし、得点もたくさん生まれます。
けれども、これは果たして面白いのでしょうか?
おそらくオフサイドがなければサッカーはこんな風にただのロングボールの蹴り合いになって、得点は生まれるけれどすごくつまらない試合になると思う。
それは『結果だけでプロセスがない』からですね。
「どうやって攻めて、どうやって相手を崩すか?」
そこが面白いはずだから、得点が決まればいいだけだとゴールの価値は薄れてしまうでしょう。
例えば、アイドルグループがあったとして、そのグループが「君たちの先輩が東京ドームでライブをしたから、君たちも東京ドームでライブしていいよ」と言われたようなもの?
確かに嬉しいかもしれないけれど、小さなライブ会場から始まって、だんだんファンが増えていって、その先にある東京ドームライブだから価値が生まれる訳じゃない?
サッカーも同じ。
ただ得点が入るのが面白いんじゃなくて『そこに至るまでに何があったのか?』のプロセスを楽しむのが面白いし、なかなか結果が生まれない中で生まれるゴールだから爆発的に歓喜する訳ですね。
むしろ得点が生まれにくいからこそ、結果が出た時の価値が跳ね上がるのかなと思います。
プロセスを楽しむためにはサッカー観戦のポイントを知る必要、もっと言えば『戦術的な視点』を持つ必要があります。
例えば、大きく分けると“個人戦術”“グループ戦術”“チーム戦術”の3つがあって、この辺りに注目すると「どこを観ればいいの?」という疑問は解消できる。
さっきのアイドルグループで考えてみると、例えば『推しメンがいるタイプ』なら“個人戦術”に注目、『メンバーの関係性が好きなタイプ』なら“グループ戦術”に注目、『次はどんなコンセプトの曲か気になるタイプ』なら“チーム戦術”に注目するみたいにイメージすればいいのかな?
視点を1つ決めると、サッカー観戦もしやすくなります。
ちなみに、私は“チーム戦術”に一番比重を置いてサッカー観戦していますよ。
ココに注目すると「なぜゴールが生まれたのか?」の理由が分かることが多いんですね。もっと言うと“監督目線”で観ていて「どうしたら得点が奪えるか?」「この時間帯は何を重視すべきか?」みたいなことを考えながら観てます。
サッカーがつまらないと感じるのは「分からない」からかなと。
これはサッカーに限ったことじゃないかもしれません。勉強も分からないとつまらなく感じたりしますよね。
でも、分からないことが分かるようになると面白いし、ゴールが生まれた理由が分かるとサッカーは途端に面白くなる。
なぜなら『ゴールが決まるまでの“プロセス”を楽しめる』ようになるから。
まぁ、たまに理屈じゃないゴールも生まれるし、それはそれで心揺さぶられるんだけどね。笑
いろいろ書きましたが、楽しみ方なんでのは人それぞれでいいと思ってます。
一人の選手に注目するでもいいし、スタジアムでサポーターと一緒に応援するのが楽しいでもいいし、「あの選手かっこいいから好き!」でもいいし、自分なりの楽しみ方を見つけるのが一番大事でしょう。
だって、サッカーは自由なスポーツですからね。どうやって楽しむかも自由です。
個人的には次サッカー観戦する機会があれば「なぜ?」を考えながら見て欲しいところですね。
それこそ、このコラムと同じように。
このコラムも「なぜ?」を意識して読んでくれたら嬉しいですよね。
「なぜあそこであんな書き方をしたのだろうか?」とか。
今回あの箇所で余計な一言を入れた理由。それはオチがコレしか思い浮かばなかったからです。。。
誰がプレッシャーのない状態なら輝くだよ!(;゚Д゚)ノ
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