第29話「下記のコメントについてどう思いますか?」
前回の【第28話「人間に一番必要な能力」】で、「何が『普通』なのかは、時代や環境によって変わってくる。」と書きました。
にしても、『普通』って何でしょうね?
『普通』が何かの明確な定義付けは無理でしょう。相対的なものだし、価値観も違うし。
どんなに考えても答えは出ない問いだけれど、『普通』に関するちょっとした出来事があったので、今回はこのテーマで考えてみましょう。
早速ですが、下記のコメントについてどう思いますか?
「素晴らしい👏🏻 ただ指をもっと曲げて!」
このコメントの印象をちょっと考えてみてください。
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先ほどのコメントは今年になって私のYouTube動画に届いたコメント。
粒だてるのもどうかと思ったのですが、自分のYouTubeアカウントに届いたものなのでいいかなと。
で…さっきのコメントどう?笑
「どう?」と言われてもですが、私はこのコメントに『普通』が詰まってる気がしているんですよ。
いろんな情報が読み取れるというか、どんな感情にも持っていけるというか、とりあえず私の考えを整理しておきます。
まず、相手がどんな方か知りませんが、このコメントをくれた人の気持ちを察するに、ちゃんと『気を遣ってコメントしてくれた』のだと思います。
先に褒め言葉を付けて、その上でアドバイスをしていますからね。
狙いは…あるかもしれないけれど、少なくとも私は『悪気のないコメント』だと思ってます。
けれども、最初にこのコメントを見た時、私は正直ちょっと「んっ?」とはなりました。
というのも、この動画はピアノ経験「0」から始めて、3ヶ月でどのくらい弾けるようになったかの演奏記録をまとめただけの動画。
意図としてはピアノ未経験の人がこれから始めるにあたって「3ヶ月でどのくらい弾けるようになるのかの目安になれば…」と思ってUPしました。
さすがに「ピアノが“弾ける”が目的で、“上手く弾ける”が目的ではないことを読解して」とまでは思わない。
ただ、そもそもどこの誰かかも分からない人からのアドバイス…もっと言うと、コレ8年前の動画。。。
別に普段なら気に留めないけれど、このコメントと向き合ってみるとあんまりいい気分はしないかな。
でも、『気を遣ってくれてる』のは感じ取れるし『悪気はない』と思うから、「仕方ないか…」という気持ちが着地点。
この程度の感覚のズレなら、もう「痒いなぁ」として受け止めるしかないしか出来ないですよねぇ。。。
『普通』ってこんな感じの現象のことに詰まってると思う。
コメントをくれた人は『良かれと思って』だと思うし、動画に対して思ったことをコメントするのが『普通の感覚』なのでしょう。
一方で、私は『(コメントするなら)意図や状況を読み取ってコメントをするべき』というのが『普通の感覚』。
他にも、あのコメントに対して「何も引っかからなかった」という『普通の感覚』の人もいるかなと。実際、演奏は下手ですからね。
いろいろ考えると、結局「普通ってなんだよ」ってなっちゃうね。
この辺の感覚はやっぱり難しいよ。
「自分がやられて嫌なことをするな」は当たり前だけど、自分がやられて嫌じゃないことが相手にとっても嫌じゃない保証はない。
でも、気にしすぎたら何も出来ない。。。
『普通』って何なのでしょうね?
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