これまで10週にわたって有名な日本昔話の読書感想文を書いてきましたが、ここで一旦、簡単な振り返りをしたいと思います。
ただ感想文を振り返るだけではなく、その物語の教訓と私が読書感想文を書く上で意識した考えやテーマをまとめておきますね。
また、最後に日本昔話がなぜ今でも語り継がれているのかについても理由を考えてみましたので、もしよろしければ併せてご覧ください。
日本昔話の教訓&読書感想文の個人テーマ一覧
まずは読んだ昔話を改めて確認しておきましょう。
選んだ話に特に基準はなく、有名な話を中心に無作為に選んでみました。
それぞれ簡単に一般的に言われている教訓と読書感想文のテーマを紹介していきますね。
ちなみに、『読んだ本-教訓-感想文のテーマ』の順番で書いています。
桃太郎:力を合わせる-目に見えないモノを考える
桃太郎は最も有名な日本昔話で、誰しも一度は読んだことがあるかもしれません。
教訓としては『力を合わせて目的を成し遂げよう』といったところでしょうか。明確に一言でというのは意外と難しいですね。
鬼退治をするために仲間たちと協力するというのが話の流れですし、お供を連れて旅をする昔話はあんまりないので、力を合わせることが大事というのは教訓の一つと言えるでしょう。
他にも、鬼退治(目的)を犬・猿・雉(仲間)と協力し、宝(報酬)を得るという『社会勉強』だったり、それぞれの動物の役割に注目して『適材適所』などを教訓として考えることもあるようです。
桃太郎はいろんな要素が複合的に絡み合っているので、どこを切り取るかで感じ方が人によって全然違う教訓を得られる話なのかなと思います。
私は桃太郎から『目に見えないモノを考える』というテーマにしました。
桃太郎の独りよがりな考えがちょっと危険だなと感じ、『将来、桃太郎が今度は鬼の立場になってしまうのではないか?』と考えたのですね。
それで、自分が鬼にならないためには『目に見えないモノ』を考えることが大事だという感想文にしています。
桃太郎に関してはどちらかというと否定的な感想が多く、私もどちらかというと危うさを感じて否定的な感覚を持ちました。
有名すぎる話だからこそ、良い所ではなく悪い所に目がいってしまうところがあるのかもしれませんね。
浦島太郎:因果応報-マイナスをプラスに変える力
浦島太郎の教訓としては『因果応報』がしっくりくるかなと。
因果応報とは「良い行いをすれば良い報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いを受ける」というものですが、浦島太郎は、亀を助けたから竜宮城に行けた、開けてはいけないと言われたのに玉手箱を開けた、という良い報いも悪い報いもどちらも経験していますね。
私は浦島太郎から『マイナスをプラスに変える』ということを考えてみました。
子供の頃に読んだ浦島太郎はおじいさんになって可哀想と思ったのに、大人になって読んだら滑稽で面白く感じられたのはなぜか、というところを感じて感想文を書いています。
浦島太郎は絵本などではおじいさんが鶴になって飛んで行って終わりますが、実はまだ続きがあるなどいろんな説がありますね。
私が個人的に好きなのは「乙姫は実は亀で、鶴になった浦島が会いに行って結ばれる」というもの。
悲しいお話だと思ったら、実はラブストーリーだったというふり幅がいいですね(*´▽`*)
鶴は千年、亀は万年、何年も愛し合ったというわけです。…まぁ計算上、鶴の方がだいぶ先に死にますけど。笑

金太郎:元気が一番!-チャンスの掴み方
金太郎の教訓は『元気が一番!』ということです!ヾ(≧▽≦)ノ
金太郎って特に教訓と呼べるものがないのですよ。というのも、『山奥で元気に過ごしてたら、スカウトされて都で武士になる』という激レアさんで、万人が役に立つという話ではないから。
時代背景から、金太郎のような元気な子に育ってほしいという願いが感じ取れる話なので、ご飯が普通に食べられる現代日本ではあまり刺さらないと思います。
私の感想文では『チャンスの掴み方』に注目して書いてみました。
金太郎は素直で力持ちで優しい、非の打ちどころのない人物でこういった人物だからチャンスを掴めるのかなと。
ただ、私のような金太郎みたいに優秀ではない人間はどうしたらいいのかという疑問も生まれ、その解決方法について感想文を進めてみました。
チャンスを掴むために一番必要な能力を私なりに考えてみましたので、気になる方はあなたの考えと比べてみてください。
花咲爺さん:勧善懲悪-危機管理の考え方
花咲じじいは典型的な『勧善懲悪』が教訓のお話ですね。
「善を勧めて、悪を懲らしめる」という日本人が好きな展開の物語でしょう。
ただ、「善悪だけですべてを判断するのはどうなんだろう?」という想いもありますよね。
すぐに答えを出さないグレーゾーンが必要な時もありますから、考えられる人物でいたいところです。
花咲爺さんの感想文ですが、『危機管理』をテーマに書いています。
私はどちらかと言えば慎重派なので、主人公のおじいさんの危機感のなさにイライラしてしまいましたよ。
感覚が違う以上、正解も人によって違いますから、何が正しいかはわからないこともあります。
それを理解した上で、自分は危機管理についてどう考えるのかを感想文でまとめてみました。
改めて自分の性格を知れたとは思います。

鶴の恩返し:因果応報-価値観の違い
鶴の恩返しの教訓もいろんなことが言えるのですが、一言で言えば『因果応報』ですかね。
鶴を助けたら機織りをしてくれた、約束を破って部屋をのぞいたら飛び立ってしまった、というところからも因果応報が教訓にあたると思います。
私の感想文ですが『価値観の違い』をテーマに書いてみました。
読んだ本が『鶴の恩返し』ではなく『つるのよめさま』というもので、結末が一般的なものとは違っているのですね。
主人公が「ある行動」を起こすのですが、その行動によって悲しい結末に感じさせない気持ちになりました。
その行動で私はこの物語をハッピーエンドと捉えましたが、他の人はどう思うのでしょうかね。

かちかち山:因果応報-想像力と体験
かちかち山も『因果応報』が教訓と言えるでしょう。また、別の角度で考えてみると『知識の重要性』なんかも伝えているかもしれません。
「泥の船は沈む」ということを知っているウサギと知らないタヌキの知識の差が結末に大きな影響を与えましたから、知識を持つということや勉強の意味みたいなのも感じられる物語になっていると思います。
私の感想文では『想像力の乏しさ』が物語に別の意味の怖さをもたらしていると書きました。
想像力があれば度が過ぎた行動はすることがないと思ったのですね。ただ、想像力が乏しいのは『体験がない』からと言えるかもしれない。
そんなところに触れて感想文を書いています。ただ、上手くはまとめられていません…( ̄▽ ̄)

一寸法師:自分の道は自分で作る-個性について
一寸法師は『自分の道を自分で切り開く』というのが教訓と言えると思います。
どんどん行動を起こしていってステップアップしていく部分は読んでいてもスピード感があって非常に面白い昔話だと感じました。
感想文では『個性』について書いています。
一寸法師の個性(特徴)は身体が小さいということですが、そのことを忘れさせるくらい一寸法師に魅力を感じていました。
そこから、没個性でも魅力的な人間に見えるのはなぜかを考えながら、自分の個性について考えています。
自分の個性は『没個性である』というところなのかな^^

さるかに合戦:因果応報&適材適所-結果とプロセスについて
さるかに合戦も昔話の定番である『因果応報』が教訓として言えますが、別の見方をすると『適材適所』という言葉も教訓として言えると思います。
栗や臼や蜂などそれぞれできることは限られているけれど、自分の立場で役割を全うするというところは、まさに適材適所という言葉がぴったりですね。
感想文では『結果とプロセス(過程)』について書きました。
結果とプロセスはどちらも大事なものですが、どちらかを優先させながら物事を進めることも必要になります。
私自身、結果を求めていた時期もプロセスを求めていた時期もありますが、いろいろ経験して今はどちらを優先して考えているかを改めて考えてみました。
どちらも完璧になれればいいんですけどね。。。

舌切り雀:欲張りはいけない-欲張って失敗した経験
舌切り雀の教訓は『欲張ってはいけない』ということですが、この事に関してはリアルタイムで身をもって体験しましたね。
欲張るということは間接的に人を傷つけていると知りましたから、同じようなことが今後起きないことを願うのみです。
この回は感想文ではなくエッセイ風に書いてみました。
コロナウイルスがきっかけで買い占めが起こっていて、感想文を書くと感情的な部分が強くなってしまうと思いエッセイ風にして柔らかくできたらなと思ったのですね。
実際にそうなったか、そもそも意味が通じるのかわからないですが、こういう書き方もあるんだと認識出来たのは良かったかもしれません。

こぶとりじいさん:行動する事について-覚悟の決め方
こぶとりじいさんの教訓は『行動の大切さ』がまず思い浮かびます。
恐怖に勝って行動を起こしたことでこぶを取ってもらうことができましたね。
また、『人の事を羨まない』というのも教訓としてあげられるかもしれません。もう一人のおじいさんは主人公のおじいさんの事を羨ましく思い、踊りが得意ではないのに鬼の前に行って結局こぶをもう一つ付けられました。
自分の能力を知らず、身の程にあった行動をしなかったために不利益を被った。
行動を起こすのも大事ですし、なんでもかんでも行動すればいいわけでもない。難しいですね。
感想文では『覚悟』について書いてみました。
じっくり考えて覚悟を決めるのか、直感で覚悟を決めるのか、それぞれのタイプによってこの判断は変わってくると思います。

日本昔話の読書感想文を書いてわかる自分の考えと意外な効果
10回に渡って日本の有名な昔話を読んで読書感想文を書いてきました。
最初はただ単に感じたモノを文章にしていくことをしていたのですが、ずっと続けていくうちに自分がどんな人物なのか『自分の考えの傾向』がわかってきたように感じます。
自分がどんな人物なのかがわかると普段の生活で迷うことが少なくなりますし、迷った時にどんな行動を取ったらいいのかも明確になるので、そういった意味では読書感想文には自己分析ができる効果もあるのかなと。
特に感じるのは感想文の内容ではなく、感想文を書く上で気にしているところが無意識に自分らしさが出てしまうということ。
例えば、私の場合だと感情的というよりは論理的に考える傾向にあると思います。
読書感想文の書き方にこだわっていたり、形式を決めているところからも論理的というか頑固なところが見られますね。
逆に、あんまり感情に流されることがないので爆発的なパワーを持っているタイプではないと思います。
人間関係にドライでどこか自分のことを俯瞰で考えたくなる傾向にあるのかなと。
感想文は自分の考えを目に見えるように映す鏡みたいなものですから、こんな風に感想文を書くことで自分の性格だったり考え方が可視化できると思います。
就活などで自己分析ってどうやったらいいの?と迷っている人がいるのなら、一回くらい読書感想文を書いてみるといいですね。
ちなみに、読書感想文式自己分析はなかなか精度が高いですよ。
試しにキャリタスで自己分析診断してみたのですが、こんな結果になりました。
私はボディビルダーの王様タイプらしいです。笑
んで、こういった診断だったり心理テストなどをすると、私は毎回ナルシスト度が高いんですよね。
ナルシストのイメージは自分をカッコよく見せる人だったり、自分に自信がある人の事だと思っているのですが、私は自分が周りにどう見られたいかはあんまり気にしないですし、自分にも自信がないのですよ。
なのに、なんで毎回ナルシスト度が高いのかなと不思議に思っていたのですが、ナルシストは日本語では「自己愛が強い人」と訳されるみたいですね。
私は自己愛はないのですが、同じくらい他人に対する興味が薄いです。
この他人に興味がないというのもナルシスト度が高い人の傾向らしく、そのせいでナルシスト度が高いと診断されるようです。納得しました。
客観的な統計から自己分析するのもいいと思いますが、自分で自分の特徴を見つけることも必要だと思っています。自己分析ですから。
もし、自分のことがわからないと思ったら読書感想文を一度書いてみるのもいいかもしれませんね。
昔話が語り継がれる意味
読書感想文を書くことによって自分の考え方や性格などがわかりましたが、読む本を昔話に絞ったことでもう一つ面白いことに気づきました。
それは、昔話がいまだに語り継がれている理由。
形は少しずつ変わりながら何百年と語り継がれているのは、ちゃんと考えるとすごいことですよね。
昔話は古からのロングセラーですよ。
んで、なんで語り継がれているのかと言うとその理由は「今でもその話が役に立つから」に他ならないと思います。
昔話は教訓となることがありますが、その教訓というのは今までもこれからも心の片隅でずっと意識しておかなければならないものなのですね。
私は独りよがりの考えになりがちな傾向にあるので、昔話のような普遍的で当たり前のこと、常識的な部分はしっかりと持ち合わせないといけないと感じました。
オリジナリティはベースになるモノがあって初めてオリジナルになりますから、世の中の流れや常識をしっかりと学び続けて、自分のやりたい事を追求していければと思います。
日本昔話篇の読書感想文はここで終了になりますが、『グリム童話の読書感想文』も書いていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
昔話って、、、本当にいいものですね。さよなら、さよなら、さよなら^^
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