「良い歌詞とは何ぞや?」というのを考えてみましょう。
『良い歌詞』っていうのは人によって正解が違うと思うので、抽象的な表現になってしまうけれど、私なりに一言でまとめるなら
【歌い手(作者)のキャラクターや価値観に合った歌詞】
が定義になるかな。
「良い歌詞とは?」というものを考えて、今後私が作詞する上で何を意識したらいいのかを探してみましょう。
『良い歌詞とは』の正解は人によって違う
『良い歌詞』に具体的な正解はないと思う。
直接的なメッセージを伝えるのも正解だし、婉曲に伝えるのも正解。
例えば、私は『初見では内容が理解できない歌詞』が好きで、具体的なアーティストを挙げるならスピッツやBUMP OF CHICKEN、椎名林檎さんとかの歌詞は良いなと感じます。
含みのある感じが面白いし、いろんな受け取り方が出来そうな歌詞。
「どういう意味だろう?」と分からない歌詞もありますが、その状態すらも面白いと感じるので、婉曲的な表現をする歌詞は非常に好みですね。
一方で、ストレートに歌詞を表現するアーティストも好きです。
具体的なアーティストを挙げるとするなら例えば、ウルフルズとかサンボマスターとかの曲を聴くと気持ちがスカッとしたり、熱くなれてたりして良い歌詞だなと感じます。
「遠回しな表現は意味が分からない嫌い」という人もいるだろうし、「ストレートな表現は子供っぽくて嫌い」と言う人もいると思う。
こればっかりは『好み』だと思うから、良い歌詞っていうのは『意味が分かりやすい・分かりにくい』とかの話ではないんだろうね。
じゃあ、どうして私はタイプの違う上記に挙げたアーティストたちの歌詞を『良い歌詞』と思うのだろうか?
それは冒頭でも書いたように『歌い手(作者)のキャラクターや価値観に合った歌詞』だからだと思う。
イメージと違うと戸惑う心理
人はイメージと違うと、そのギャップに戸惑うことがあると思う。
そのギャップが良い場合は喜びが倍になるけれど、少しでも違うと感じると『負の感情が膨れる』こともあるのかなと。
例えば、これは歌詞の話ではないですが、私の好きなアーティスト『ケツメイシ』が『KETSUNOPOLIS 8』をリリースした時、EDMに振り切ったアルバム内容に戸惑ったファンの方が多かったです。
私は基本的にこだわりがない方なのであまり気にならなかったですが、キャラやイメージと違うことをすると受け入れられにくいのでしょうね。
歌詞に関しても『歌い手(作者)のキャラクターや価値観に合った歌詞』が大事なのかなと思うので、キャラやイメージは自分が考えている以上に関連性が深いんだと思う。
ダメな歌詞について考えてみよう
『良い歌詞』は人によって違うだろうけど『ダメな歌詞』は明確にあると思う。
ダメな歌詞の例みたいなものはいろいろ言われてはいるけれど、私はダメな歌詞はたった1つだと思っています。
それは『メロディを無視した歌詞』かなと。
『詩』じゃなくて『詞』なので、メロディを無視して歌われることを前提に書かれていない歌詞は『歌詞としての条件を満たしてない』と思う。
だから、ダメな歌詞と言えるかな。
逆に言えば、それ以外はどんな歌詞も正解なんじゃないかな。
説明し過ぎても、意味が分からなくても、その人のキャラクターが出てるなら基本的にはどんなことを書いても良いと思う。常識の範囲内であれば。
『良いは主観、悪いは客観』の意識は、歌詞においても共通するのかな。
作詞する上で私は何を意識するべきか?
さて、今回「良い歌詞とは?」を考えてみたのは、私が作詞をするようになったから。
趣味で作曲をしているのですが、実力不足で曲だけでイメージを表現できなくて、そしたら「歌詞を付けるしかないかー」と
考えるようになったわけです。
もし、作曲センスがあるなら曲だけで表現が完成するから歌詞なんていらないと思いますが、私は音楽のセンスが人並みなので歌詞をつけないとイメージを表現できないなぁって。現状、歌詞を付けても…ってところではありますが(^_^;)
音楽は大人になってから触れたからビハインドがあるけれど、言葉(日本語)は生まれてから今までずっと扱ってきているから、人並み以上には扱えるし、人それぞれ育った環境が違っている以上、それぞれの人に独自の感覚が自然に備わっていると思う。
だから、その人が考えた歌詞なら、その時点で独自性が生まれてる…はず。
って考えると、作詞をする上で私が意識するのは「どれだけ自分が面白い歌詞だと思えるか?」なのかな。
私は特に世の中に届けたいメッセージもないし、自分の想いを誰かに知ってほしいということもない。
『想いの強さ』みたいなものが全くない( ̄▽ ̄)
だから、一般的に言われている作詞方法とかが当てはまらない。
作詞の仕方とかを教えてる教本やサイトのほとんどが、自分の内面を表に現すことで作詞してる。
でも、私には内面に思ってることがそもそもない。要するに薄っぺらい。
そんな人間が熱く語ったところで相手には届かない。
ハゲてる人が「この薬使うとめっちゃ毛が生えるよ!」って言ってるのとなんら変わらない。
だから、違うアプローチで作詞しないといけないから、それを考えましょう。
『誰が』よりも『何を』を意識しよう
イチローさんの有名な言葉がある。
【言葉とは何を言うかではなく、誰が言うかに尽きる。 その誰がに値する生き方をしたい。】
これ、すごい言葉ですよね。
イチローさんが言うから価値があるし、それをちゃんと分かってるというか『覚悟(想いの強さ)』を受け取れます。
じゃあ、私もイチローさんの様に『誰が』を目指すべきなのか…答えは「NO」だと思う。それは私には出来ない。
なぜなら、自分自身で「誰が言ってんだよ!」ってなるから。
自分に覚悟がまだない以上『誰が』にはなれないし、そもそも私の良さ(らしさ)はそこ(誰が)にないと思ってる。
それよりも、自分がどれだけ面白いと思える『何を』を思い浮かべられるか、表現できるかの方に価値を置いてる。
って考えると、ひとまずは『何を』を意識して作詞してみようかなと。
『読み人知らず』みたいな存在になれたら理想なのかな。
誰が詠んだか分からないけれど、何百年何千年と伝えられるならそれはそれで素敵な気がする。
まぁ世の中に数えきれないほど素敵な表現者がいる以上、自分の書いた歌詞が何十年先に届くことはないでしょう。
ただ、たまたま私の歌詞に出会った人が100人いたとしたら、その100人に共感してもらうよりも、100人がみんな違う受け取り方をしてほしいかな。
ひとまずはそんな歌詞が書けるように、いろいろ考えながら作詞してみましょう^^
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