西加奈子さんの『i』を読みました。
人気作家さんなのでもちろん名前は存じ上げてましたが、作品を読んだのは今回が初めて。
図書館に行った時にたまたま見つけて「そういえば今まで西さんの作品って読んだことなかったなー」と思い、何気なく借りてみました。
「読み終わったら久しぶりに読書感想文でも書くかー」と思ったのですが、いつもみたいに800字でまとめるのはちょっと難しいですね。
なので、今回は普通に感想を書こうと思います^^
西加奈子『i』は私が苦手なタイプの小説
正直な感想を言うと、個人的には『苦手』でした。
『苦手』というのは悪いとかネガティブな意味じゃなくて、『私が目を向けてこなかった部分』と向き合わないといけないヤツと感じたから。
「あんまり好きな授業じゃないんだけど必修科目だからちゃんと受けなきゃ(*_*;」みたいな?
そんな感覚を持ちながら読み進めた作品でした。
ただ、趣味の読書は必修科目ではないので途中でやめることも出来ましたが、途中で読むのをやめようとは全く思わなかったですね。
ちょっと感覚は違うけれど、怖いもの見たさで先をもっと知りたいと思えるような作品で、今まであまり読んだことのないタイプの作家さんだなと。
私は軽い人間なので、好んで選ぶのは表面上でデザインされている小説なのですが、この作品は深層に入り込んでくるので、個人的には覚悟を持って読むべき作品だったような気がします。
他の西加奈子作品がどんな感じなのか知らないし、『i』を読んだだけの感じ方にはなるけれど、『強さ』を感じるんだけどそれだけじゃない『何か』がある感じ。。。
何だろうなー…『鋭さ』かな? そんなものを感じました。
あんまり良い例えじゃないけど、昔ヤンチャしてて今は凄く優しいんだけど、何かが起きた時に一瞬だけ『あの頃の怖さ』が見える感じ?笑
分かりやすく『ハンター×ハンター』で例えるなら、天空闘技場の上層階にゴンとキルアが到着した時に、ヒソカの念能力に触れて先に進めなかったみたいな感じよ(゚Д゚)ノ
自分の能力以上の存在に触れた感じが凄くしました。
後は、扱っているテーマが目を向けるのに勇気が必要な点も『苦手』と感じた要因のような気がします。
日常生活ではあまり考えたくない、でも目を向けないといけない事。
そういった部分を真正面に受け止めて書いた内容のような気がして、普通に面白く読めるんだけど、頭と心のどっちもを使いながら読んだ気がします。
人間としてのレベルの差みたいなものを感じましたね。。。
西加奈子『i』の読書感想文が書けないと感じた理由
『i』の読書感想文は書こうと思えば書けるとは思います。
ただ、短い文字数で書くのは難しいし、おそらく意図がちゃんと伝わらない。
そもそも綺麗に考えもまとまってないからこのブログで気軽には書けないね。
扱ってるテーマの『難しさ』というか『複雑さ』が簡単には書きにく感じさせたのかなー。
このブログで書いてる読書感想文はどこか一つに焦点を当てて、そこから広げるスタイル。
こうすると800字程度でまとめやすいのよね。
ただ『i』は何か1つに焦点を当てて書くのはちょっと違うと思うし、言葉足らずで私の意図が伝わらないと危険な感じもするから、やめておいた方がいいと感じたかな。
でも、そういった「私には無理だなー、扱いきれないなー」と感じたものを、西さんは物語を通じて昇華しているのが凄いと思うし、やっぱりレベルの差を感じる。。。
いかに私が薄っぺらい人間かというのを改めて自覚させられた感じ?笑
こういう自分の気持ちと向き合わないといけないから、なんか苦手だったんだろうなー(´-ω-`)
『i』の中に出てきた『LGBTQ』について考えてみよう
せっかくこういう価値のある作品を読んだので、『i』の中で出てきた事柄について考えてみましょうか。
『i』の中にはざっくり『LGBTQ』『格差』『戦争』などの話題が出てきますが、今回は普段考えることのない『LGBTQ』について少し考えてみますか。
正直『ジェンダー』の話ってあまりしたくないんですよね。
なぜなら「わからない」から。
「わからない」ことや「曖昧なこと」を考えるのは基本的には好きなのですが、『ジェンダー』の事はただ「わからない」んじゃなくて、探しても「コレ!」っていう答えがない気がする。
落としどころが見つからないから常に考えなくてもいいかなと思ってしまいます。
例えば、私は男で恋愛委対象は女性です。
だから『LGBTQ』の方の気持ちは想像することしか出来ないし、私の想像の中では「私が女性を好きになる感じとか変わらないのかな?」とかしか推測できない。
それが同性愛だったり、身体と心が不一致だったり、自分でよくわかってなかったりするだけで、「そうなんだ。それでどうしたの?」としか思わないんですよね。
この表現が適切なのかわかりませんが、『LGBTQ』が別に特別だと思ってないです。
私はテレビっ子で子供の頃からいろんな人を観てきて、いわゆる男と女では割り切れない感覚を持っている人がいることを知っていました。
うーん、中学生の時に『あらびき団』ではるな愛さんを観たのが最初かな?
んで、高校生の時くらいからIKKOさんとかマツコさんとかテレビによく出るようになって「いろんな人がいるなー」って知ってたし、もう当たり前になってたかな。
大学生の時はバイト先に同性愛者の方がいたけれど、何も特別なことはなかった。
私はたまたま子供の頃から自分とセクシャリティが違う人の事を認識してたからか、そういう人がいることが特別なことだとは思ったことがなかったです。
子供の頃からいろんな人がいるのが普通だと思っていたから、悪く受け止めてほしくないのですが、私は『LGBTQ』の話題って『興味がない』んだと思う。
ただ、少なくともセクシャリティに悩んでいる人が苦しむ社会は違うとは感じるので、少しずつでも生きやすい世の中になっていくといいなとは思っています。
『わからないまま受け止める』という感覚
私自身が『LGBTQ』に限らず、そもそも『他人』にあまり興味がないので、人について語るとどうしても薄っぺらい感じがしちゃうかなー。
今まで生きてきて、セクシャリティとかアイデンティティとかで悩んだことがないし、こういう事柄は想像することしかできない。
結局『わからない』から『わからないまま受け止める』ことしか自分にはできないかな。
そして、その感覚は当たり前にずっと持っていた感覚だから、『ジェンダー』の事は都度考えるでいいのかなって気はする。
考える必要が生まれた時にしっかり考えましょう(‘◇’)ゞ

最後に、『i』を読んで私はOfficial髭男dism『I LOVE…』のMVを思い出しました。
J-POPの新世代の旗頭のヒゲダンがこういう歌詞の曲を歌ってくれるのは素晴らしいですね(*’▽’)
私は個人主義なところが強いし、自分のことだけで精いっぱいで周りの事に興味がなさすぎる欠点を持っていますが、考えなきゃいけない時は他人の事でもちゃんと考えられる人でいたいですね。
『i』を読んで「なんか人に優しい社会になるといいなー」と思いましたよ^^
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