作詞作曲の依頼を受けて、その記録をしておくことにしました。
概要は以前書いた記事をご覧いただければと。

さて、初めて作詞をしましたが、めちゃくちゃ大変だった。
ただそれ以上に楽しさとワクワクがあったのも事実。
自分なりの作詞のコツとしては『シンプルなものを複雑に描く』ことかなー。
一般的に言われている作詞のコツは自分には当てはまらない
どうやって作詞をしていいか分からなかったので、とりあえずネットで作詞のコツを検索したり、本を読んでみたりしました。
どれも読んでいて「なるほどなー」とは思うのですが、それ以上に「自分にはやり方が合わないなー」と感じたかな?
「何でだろう?」と思っていろいろ分析してみましたが、『何か伝えたい想いが強いから』っていうのが関係している気がした。
言い換えると『表現がストレートすぎる』のかなと。
直接的な表現は自分のキャラとは合わないから、恥ずかしいとかダサいとか感じてしまう。
決してストレートな言葉が恥ずかしかったりダサいわけじゃないのは間違いない。
例えばサンボマスターとかWANIMAとかの歌詞はストレートな表現だけど、ダサいなんて思わない。むしろ好き。めちゃめちゃかっこいい。
そう思うのは歌詞にもバンドのカラーが出てるからなのかなと。
そう考えると、一般的に言われている作詞のコツは私にはあまり当てはまらないと感じるし、気にしなくていいでしょう。
私に作詞を依頼してくる意味を考えよう
私に作詞を依頼してきた時点で、おそらく『何かしらの“期待”』はしているのでしょう。
作詞は音に言葉を乗せるという制限はあるけれど、言ってしまえば文章だから誰でも書けるもの。
それこそ、自分の感情をちゃんと出せる人が書いた方がいわゆる良い歌詞になるはず。
にもかかわらず私に依頼してきたということは、『何かしらの“個性”』を求めていると考えた方が妥当かなと。
音楽経験も乏しい、ましてや初めての作詞作曲を頼むということは、良い曲を求めているというよりは「挑戦してみて欲しい」という意味合いもあったのかもしれない。
じゃあ、やっぱり探して簡単に見つかるようなところに作詞のコツなんかないし、答えを自分で見つけるしか自分にはやり方はないでしょう。
作詞の考え方はまずはシンプル
初めての作詞作業をするために歌詞の仕組みを分析。
そこでわかったのは歌詞は「多くのことは語れないんだな」ということ。
Aメロ・Bメロ・サビとした場合、Aメロが『きっかけ』で、Bメロが『葛藤』で、サビが『感情』って構成なのかなと。
イメージとしては起承(Aメロ)転(Bメロ)結(サビ)みたいな。
結局、主張したいことを1つだけ伝えるだけのシンプルなものなんじゃないかなと。
例えば「トイレがしたい!」って主張なら…
…お家に帰って早くトイレに行きたい(承)
【Bメロ】…もう少しでお家に着くぞー(転)
【サビ】 …間に合ったー!最高の気分だ!(結)
みたいな感じですね。
シンプルな出来事を複雑にする
さっきの文章をそのまま歌詞しちゃうと味気ない。
だから、理由とか事件の要素を入れると物語性が生まれると。
そのためにはシチュエーションを作るのがいいでしょう。
人間関係とか状況を表す文章にするとドラマチックになるかな。
例えば…「家庭科部のあの子が作ってくれた『サバの味噌煮』を食べた」としましょう。
あの子の事が忘れられない。そのせいでお腹を壊してるから。
… 早くトイレに行きたい。でも今は帰宅ラッシュの電車の中。
最寄り駅のトイレは汚い。お家で落ち着いてしたい。
【Bメロ】…最寄り駅からお家までは徒歩5分。なのに道路工事でいつもの
道は通行止め。間に合うか?間に合うのか?
【サビ】…ギリギリ間に合ったー!Oh 愛しの My Toilet。
みたいな。
ちょっと物語性が出ましたね(´-ω-`)
シンプルなものに肉付けをすれば物語が出来るから、あとはその物語をどう面白くするか。ここに個性が出るかな。
劇的なものよりはあり得そうな出来事を複雑にしていった方が、共感性は高まるのかなと。
見切り発車で書いた割には意外といい文章が書けましたね。
ただ、トイレの話で味噌煮をチョイスするところ…反省です。
比喩表現で歌詞の意味を見えにくくする
私は個性は出すというよりは出ちゃうものだと思ってます。

考えることが好きなので歌詞や文章を読んだりする時「これはどういう意味なんだろう?」と考えたくなる方が好き。
だから伏線のある物語は好きなのですが、歌詞のように短い文章で伏線回収は難しいので、比喩表現で考えさせるのが自分の作詞には合っているのかなと。
さっきの文章とか、無意識にトイレの話で味噌煮をチョイスするところなんて、自分の身体にこの感覚が染み込んでいるなーと。煮込み料理だけに。。。
この感覚はおそらく私の個性だから、アドバイスとしては「いつも通りの感覚で文章を歌詞にすればいいよ」って感じですか。
これだけだとちょっと薄味なので、例を一つ挙げておきましょう。
歌詞の美しさは単語以上の意味が感じ取れた時に感じる
歌詞がすごいなーというアーティストは数えきれないほどいるけれど、子供の頃からずーっと好きでダントツで歌詞が美しいなと思うのは『BUMP OF CHICKEN』ですか。
何がこんなにも響くのか考えてみると、単語以上の意味を感じられるのがすごいなーと。
私が好きな曲の一つである【宇宙飛行士への手紙】に出てくる言葉を例に出してみましょう。
【トリケラトプスに触りたい ふたご座でのんびり地球が見たい】
このフレーズすごく好きなのよ。
個人的に恐竜の中ではトリケラトプスが好きで、私がふたご座ということも関係あるかもしれませんが、このフレーズだけでセンスが爆発してますよね。
一見すると楽しさが表れてると感じるけど、このフレーズだけでいろんな情報が含まれていると私は勝手に思ってます。
例えば、『トリケラトプス』と『ふたご座』は『過去』と『未来』を表しているのかなーとか、『触りたい』と『(ふたご座)から地球が見たい』も距離の差が反対。
対比関係が良く表れているなーって。
もっと言えば『のんびり』と入れたのも、トリケラトプスに触ったら絶対『興奮』するもんね。
だから『のんびり』も実は重要な単語で、本当に無駄のないフレーズ。
ただの文章に見えて本当にたくさんの情報を一つ一つの単語を使って表現している。
それでいて、歌詞全体の物語性も当然あるわけだから、そりゃ好きになるよ。このセンス。
こんな風にはなれないけれど、自分なりに戦える武器があるはずだから、それを出せるように頑張りましょう。
未来の君にヒントを残すなら『言葉は生み出すものじゃなくて探すもの』とだけ書いておきます。
後はその都度考えてください^^
ちなみに、作曲も『浮かぶ』ものじゃなくて『探す』ものなので、頑張って見つけてください。

結論:歌詞なんて好きに書けばいい
いろいろ書いてきたけれど、作詞だからといって必要以上に構えることはなし。
メロディーに乗せる必要があるから、そこだけ注意して、あとは普通の文章を書くのと別に変わらない。
むしろ『メロディーに乗せるっていう制限があるから生まれるアイディアもある』ってことが大事。
君は制限があった方が自由を発揮できるので、制限は歓迎しましょう。
ストレートに書いた方がいいか、意味深に書いた方がいいかはキャラクターだと思う。
キャラに合えばかっこいいし、合わなければダサいになる。
だから「歌詞なんて思った通り好きに書けばいいんじゃない?」って結局はなるのかな。笑
『理解されたい気持ち②:理解されてたまるか⑧』くらいの割合で書くのがちょうどいいかもね。
自分だけは納得した歌詞が書けるようにはしておくべきでしょう。
ただ、一番は依頼主の目的と意図を理解して、そのために歌詞を書くこと。
これが一番大事。
ここだけは忘れなければいいと思うから、あとは好き勝手書いてください(-ω-)/<ガンバリタマエ
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