2022年シーズンのJリーグが開幕してしばらく立ちますが、退場する選手が多いですね。
実際に数を数えているわけではないのですが、退場者が例年より多い理由はおそらく『ドグソ』が大きく関係しているからでしょう。
『ドグソ』の誕生はサッカーを『知識も必要なスポーツ』へと変えていると私は感じます。
これが良いか悪いかは置いといて、また別の視点を持つ必要が出てくるので一度頭の中を整理しておきましょう^^
サッカーは知識が無くても出来るスポーツ
サッカーは世界最大の国際機関。
国際サッカー連盟(FIFA)の加盟国・地域数は現在209、これは国連加盟国の193よりも多いのですね。
でも、なぜサッカーは世界的なスポーツなのか?
理由はいくつもあるだろうけれど、私は『知識が必要ないスポーツだから』だと思っています。
サッカーは『ピッチ内でボールを奪い合い、手以外を使ってゴールをたくさん入れた方が勝ち』というだけのスポーツ。
動き方は分からなくても、ルールが分からないという事はないでしょう。
あったとしても『オフサイド』くらいかな?
だから『オフサイド』さえ理解しちゃえばルールを覚える必要はほぼありません。
世界には教育に恵まれず、知識を身に着けられない国や地域もまだまだある。
そんな国や地域でもサッカーがプレーされているのは『知識が必要ない』ことが少なからず関係しているだろうし、世界的なスポーツである理由と私は考えています。
ただ、そんなサッカーも近年は知識が必要になってきた…気がする。
それは毎年何かしらの変革が行われ、新たなルールも追加されてきたから。
中でも『ドグソ』は「オフサイド以上にルールを理解してないと大変だなー」と感じます。
『ドグソ』とは「決定的な得点機会を阻止する」こと
『ドグソ』に関して理解している方はココは飛ばしてください。
「ドグソって美味しいの?」という方は軽く説明するので、引き続きご覧ください^^
直訳すると「明らかにゴールを奪える機会を阻止すること」で、転じて「決定的な得点機会の阻止」と主に訳されます。
英語の頭文字を取って「DOGSO(ドグソ)」と呼ぶのですね。
ドグソには以下の4つの条件があります。
1.守備側競技者の位置と数(他の選手はカバーできる?追いつける?)
2.反則とゴールの距離(反則したところからゴールは狙える?)
3.プレーの方向(ゴールに向かってる?)
4.ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性(シュートやドリブルはできる?)
これらの条件すべてに当てはまる場合、ドグソと認定されFKが与えられます。
ちなみに、ドグソには当てはまらない場合は『スパ』と判定されることもあるのですが、ここでは割愛。
興味がある方はサッカー審判資格講習会のPDFに詳しく書かれているので、そちらをご覧ください。
『ドグソ』を理解してないと大変な目に遭う
突然ですが問題です。

すぐ下に答えを書きます!
答えは『×』です。
『ドグソ』に関して、JFA公式サイトでは以下のように記載されています。
『退場』ではなく『警告』と記されているように、『主審がペナルティーキックを与え、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則』という条件を満たせば必ずしもレッドカードが出るわけではないのです。
これは私は全く知らなかったし、「サッカーにも知識が必要だわ」と強く感じました。
私は『ドグソ=悪質性が高い』と思っていたのですが、ルールをよく読むと別にドグソは『プレーの悪質さは関係ない』のですね。
『得点機会を奪う』ことが処罰の対象なので、意図せず足が引っかかったファールだとしてもドグソは適用され、ペナルティエリア外ならレッドカードが提示される。
ドグソのルールはこのようになっているのですね。
冒頭で『今シーズンは例年より退場者が多いと感じる』的なことを書きましたが、これはおそらく「悪質なプレーじゃなくても退場することが増えたから」が答えになるでしょう。
「今のプレーでレッドカードは厳しいんじゃないの?」と思ったりもしたけれど、ペナ外でドグソの条件に当てはまった時点でレッドカードの対象、退場になってしまうのですね。
なるほど、結果にはちゃんと原因があった訳ですな(゜.゜)
ドグソのルールの良し悪しはまだ判断できない
ドグソは「得点シーンを増やして魅力を高めること」が狙いかなと思います。
それは『得点機会を奪う』という所をポイントにしていることからも読み解けそうです。
個人的には『得点が増える』と『無駄に退場者が出る』を天秤にかけるなら、「たとえ得点機会が減っても退場者が出ない試合が観たい」かな。
私はサッカーを『ゴール』よりも『プロセス』に魅力が詰まってるスポーツだと思っているから。
ただ、サッカーを良く知らない方やあまり観ない方からすると、得点が増えた方が魅力的には映るかもしれません。
ドグソのルールが良いか悪いかはちょっとまだ分からないね(。-`ω-)
でも、もしドグソのルールを理解することで、また違ったサッカーの見方が出来る気はします。
少し考えてみましょうか^^
ドグソの4条件に当てはまった時の最善のプレーはどれ?
もしドグソ認定されるかもしれない状況になったとき、どんなプレーを選べばいいのか?
知識を持っていたら最善のプレーを選ぶことが出来るはず。
ドグソ状況の時の最善のプレーはおそらく「相手にシュートを打たせる」こと。
あくまでも私の個人的な見解ですが、これが最もベターな選択肢でしょう。
ドグソは『決定的な得点機会を阻止する』という意味でした。
“決定的”ということはまだ“決定”していないということ。つまり、ゴールはまだ生まれていない。
シュートミスする可能性も、キーパーが止める可能性もあるなら、その可能性に賭ける選択肢は十分あります。
サッカーは1人退場すると致命的になりかねません。
野球は危険球を投げても代わりの投手が投げられるし、バスケも5ファールで退場しても代わりの選手がコートに立てる。
けれども、サッカーは退場したら代わりの選手がピッチに立つことはできない。
サッカーにおいて退場は時に失点よりも重いから、退場しないことも大事な考え方なのですね。
私がディフェンダーだったらこのプレーをする
もし私がディフェンダーでドグソが適用されるシチュエーションになった時、どんなプレーを選択するか。
答えは、、、全力で相手を止めに行くよね。
やっぱり自分のところでやられて失点するのは許せないもん。
キーパーを信頼するしないじゃなく、目の前で好き勝手プレーされるのを指くわえて眺めるくらいなら、ファールのリスクがあっても止めにいくでしょ?
それで、結果としてファールなったら仕方がないくらいに思う。
Jリーグでもドグソで退場した選手がいるけれど、そのプレーは誰も責められない。
『ドグソ=悪質なプレー』ではないからね。
知識があればプレーの幅は広がる
私はドグソ状況になった時に『全力で相手を止めに行く』と言ったけれど、これからはその選択肢だけしか持っていないのはダメかもしれない。
ルールが変わるなら、自分の考え方も変える必要がある。
正解はないけれど、一生懸命考えて答えは出さないと先へは進めない。
ただ、今はドグソがどんなものか知識を得たので、『全力で相手を止めに行く』以外の選択肢もしっかり考えられますね。
例えば、『前半~後半開始20分くらいまで』なら無理に止めに行かない。
それは失点するより退場する方がリスクが大きいから。
「コレ行ったら危ないかも…」と思ったら、やめるのも勇気だと思う。
逆に『後半も半分過ぎた』なら構わずチャレンジする。
退場してもカバーできる可能性はあるからね。
他にもペナルティエリア内に侵入させてから止めに行くのもいいかもしれない。
PKは与える可能性はあるけれど、イエローで済む可能性もあるなら、あえてココで勝負するのも選択肢としてはありかな。
ちょっと選びにくいプレーではあるけれど(^^;)
でも、こんな感じでプレーに幅はできるよね。
『知識があれば選択肢を増やすことはできる』から、ドグソの知識を身に着ければ、その時の最善のプレーを選べる可能性は高まる。
サッカーは曖昧さの多いスポーツだけど、その中でもドグソはこれだけ明確にルールが決まっている。
きちんと理解すれば、無駄な退場をなくすことも出来る。
『ルールを理解することでリスクが減る』というのはサッカーも日常も同じなんですね。

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