ブラインドサッカーは視覚に障がいのある選手が感覚を研ぎ澄ませ、声や音、仲間を信じる気持ちを頼りにプレーする5人制サッカー。
私もサッカー経験者なので、もともと存在自体は知っていましたし、プレーを観て「コレはすごいなー(‘Д’)」と感じたことがありました。
今回東京パラリンピックに出場しますし、『フットブレイン』や『GET SPORTS』などテレビ番組を始めメディアでも触れる機会が増えたのでブラインドサッカーについてあれこれ書いてみようかなと思います^^
ブラインドサッカーのすごさを改めて考える
ブラインドサッカーって凄すぎません?
まずは実際にプレーしている映像を観てみましょう。
ありきたりな感想を言うのなら、「すげぇな!まるでボールが見えてるみたいにプレーするな!(゚Д゚)ノ」と言ったところでしょうか。
目が見える人の感覚で言えば、「見えない」状況がどれだけ怖いことか想像に難くないと思います。
目をつぶって歩くことさえも「ぶつかるんじゃないか?」と思って、その場からほとんど動けないですよね。
それにもかかわらず、ブラインドサッカーの選手は歩くだけでなく走り回る。いやいや、それどころかドリブルしてボールをシュートする。
私はサッカー経験者ですが、それでも目をつぶってドリブルやシュートなんてできないですヾノ・∀・`)<ムリムリ
けれども、ダッシュやドリブル、パス、トラップ、シュートまで、そこには自分の知っているサッカーが行われている。

ブラインドサッカーのすごさは目が見える人ほど感じられるのかもしれませんね。
ブラインドサッカーとは?ルールを簡単に確認してみよう!
初見だと「どうして見えないのにボールの位置が分かるの?」という疑問もありますよね。
そういった疑問やルールなどは私も知らないことが多いので、この機会に確認しておこうと思います。
動画を参考に簡単にまとめると以下のような感じでしょうか。
何事もルールに則ってプレーすることが大事ですが、ブラインドサッカーは人間の情報の約8割を占める視覚をふさいで行う競技なので、よりルールを守る大切さを感じられますね。
それ以外は、サイドフェンスに高さ約1mで両サイドラインに設置していますが、ピッチのサイズは40m×20mでフットサルと同じ広さだったり、フットサルとほぼ変わらないと言えるかもしれません。
また、ブラインドサッカーの中で面白いのは『目が見える人の役割も重要』という点。
目が見える人は、ゴールキーパー、監督、ガイドの3つとなりますが、聞きなれないのはガイドでしょうか。
ガイド(コーラー)は、敵陣のゴール裏に立ち、ゴールの位置や距離、角度、相手の守備位置や戦術の指示などを声で伝える人の事で、キーパーや監督と共にとても重要な役割と言えるでしょう。
動画ではブラインドサッカーを『音とコミュニケーションのサッカー』と説明していましたが、まさにその通りだと感じました。
空間をイメージし、感覚を研ぎ澄まし、果敢に挑む。
カッコいいスポーツですね(`・ω・´)
アイマスクを着用するのはなぜ?
ブラインドサッカーを見てみるとフィールドプレーヤーはみんなアイマスクをしています。
知識がないと「目が見えないのにアイマスクをわざわざする必要はあるの?」と思ったりもしますが、これにはちゃんとした理由があるのですね。
アイマスクの着用が必要なのは「視力のカテゴリー」が存在するから。
B1・B2・B3の3つのカテゴリーがあり、以下の様に分けられます。
さらに、B1クラスには明暗が識別でき、物の有無や影が分かる「光覚弁(こうかくべん)」、目の前で手を振ったときにその動きは分かる「手動弁(しゅどうべん)」、視力が全くなく、明暗さえ識別できない「全盲(ぜんもう)」という分類があり、一人ひとり「見えない」の状態が異なるとのこと。
その差をなくして公平にするために目の上にアイパッチを貼り、アイマスクを着用することが義務付けられているのですね。
ちなみに、いわゆるブラインドサッカーはB1に該当しているクラスの選手たちがプレーしているもので、B2・B3に該当する人たちは「ロービジョンフットサル」というものに厳密に言えば別れます。
ロービジョンフットサルは弱視の選手がプレーするので、アイマスクを装着せず、音の出ないボールでプレーします。
コチラはよりフットサルに近いイメージでプレーできますが、一人ひとり見え方が違うので「声とコミュニケーションのサッカー」というのは変わらないですね。
国際大会は開幕前に専門医による視力検査があり、B1クラスとして判断された人しか出場できません。
ただし、日本国内のルールとしては競技普及のため、フィールドプレーヤー全員がアイマスクを着用することで、目の見える人も弱視もB1クラスの選手と共にプレーできるようになっていますよ。
ブラインドサッカーはパラリンピックの正式競技種目
2004年のアテネ大会からブラインドサッカーはパラリンピックの正式種目になっています。
日本代表は今までパラリンピックにはあと一歩のところで出場できなかったのですが、今回の東京大会は開催国なので悲願の初出場となったわけですね。
ブラインドサッカーの歴史としては、もともと1980年代にヨーロッパや南米で発祥したスポーツで、国際ルールが日本に導入されたのは2001年とまだ歴史が浅いスポーツでもあります。
なので、世界と比べると力は劣っていましたが、ここ数年で環境が整ってきたことなどを理由に世界の強豪と互角に渡り合えるほどの力を付けているのですよ!
日本の世界ランクは2021年1月時点で12位、最高位は7位となっていますし、今年の5月~6月にかけて行われた「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」ではアルゼンチン、フランス、スペイン、タイの強豪国と戦って堂々の2位。

日本のブラインドサッカーはもう世界レベルと言えるのかもしれませんね。
ブラインドサッカーを通じて学べることを考える
ブラインドサッカーについて簡単ですが改めて知ってみました。
この機会を通じて学べることがたくさんあったかなと思います。
ざっくり箇条書きで書くとこんな感じでしょうか。
ブラインドサッカーは一つのスポーツとしてすごく魅力を感じますし、目が見えなくてもサッカーができるという人間の可能性って無限大だなと感じました。
何よりも「価値観を見直すきっかけを得た」と思います。
ブラインドサッカーの公式サイトにも書いてありましたが、
【私たちは、知らず知らずのうちに「ふつうはこのくらい」というボーダーラインを設けて物事を捉えているのかもしれません。「見えないならこのくらい」「障がい者はここまで」「女性や子供には無理」……。しかし、ブラインドサッカーの選手たちのプレーは、私たちが無意識に設定している固定概念や価値観に対して、「本当にそうなの?」と見直すきっかけを与えてくれます】
という文言はまさにその通り。
私は良くも悪くも「期待しない人間」なので限界を作りがちなのですが、そういった枷を壊すきっかけにもなったように思います。
そして、知ることの大切さも感じましたね。
例えば、「目が見えない」の中にも分類があるというのは初めて知りました。
知ることで相手への理解も深まったり、信頼関係が生まれたり、他人事ではなくなるので否定的な感覚というのは生まれにくくなるのかなと感じます。

ブラインドサッカーを観て、ただ「すごい」だけで終わらすのはもったいないかもしれませんね。
サッカーの可能性も無限大!
ブラインドサッカーを通じて人間の可能性は無限大だと感じましたが、同時にサッカーの可能性も無限大だなと思いました。
東京パラリンピックでは5人制サッカーもU-24、なでしこと同じユニフォームを着用することになっていますが、これは『区別をしないスポーツの世界の始まり』を意味する部分もあるようです。
日本の代表は競技によってユニフォームのカラーやデザインがバラバラですからね。
たかがユニフォームと思えばそうかもしれませんが、ユニフォームがそろっている方がどの競技も応援しやすくて一体感みたいなのは生まれるかなとは思います。

自分でも気づかずに区別や差別をしていることってありますし、無意識レベルで区別などをなくすには意外と効果的だったりするかもしれませんね。
以前、マラドーナの映画を観た時にも書きましたが、私は『サッカーは世界一のスポーツ』だと思っています。
サッカーが持つ自由さや柔軟性は私はすごく好きなので、この開放的なマインドが広まっていったらもっと世の中優しくなるのかな?なんて期待してしまいます。
やっぱりサッカーって面白いですな!(´▽`)b

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