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鶴の恩返し(つるのよめさま)のあらすじと感想文&続きの話を考察してみた

鶴の恩返しの読書感想文 読書

第5回は『鶴の恩返し』の読書感想文を書きました。

厳密に言うと、鶴の恩返しではなく『つるのよめさま』という絵本で、おじいとおばあではなく、おばあとその息子の家に人の化身となった鶴が訪ねてくるという内容のものを読みました。

基本的には一般的に知られている内容にはなっているのですが、物語の結末は主人公の息子『かろく』が鶴になるという結末になっているので、この点だけ先に理解していただければと思います。

まずは鶴の恩返しの簡単なあらすじをご覧ください。




『鶴の恩返し(つるのよめさま)』のあらすじを確認してみよう

まずは『鶴の恩返し(つるのよめさま)』のあらすじを簡単に確認してみましょう。

【『鶴の恩返し(つるのよめさま)』の簡単なあらすじ】

昔々あるところに貧しい暮らしをしている親子がいました。冬の日、息子は罠にかかって動けなくなっている鶴を助ける。

その夜、親子の家に美しい娘が訪ねてきて「道に迷ってしまったから一晩泊めて欲しい」と頼まれる。娘は働き者で次の日から食事を作ったり、掃除をしたりして仲良く暮らしていた。

ある日、娘が「布を織りたいので糸を買ってきて欲しい」と頼まれ、息子が言うとおりにすると「絶対に中をのぞかないでください」と言い、機織りを始める。数日後出来上がった布は大変美しく、町で高く売れる。

そして娘は何度も繰り返し部屋に引きこもって布を織り続けた。だが、次第に音が聞こえなくなり、不安に感じた息子が部屋をのぞいてみると、そこにはあの日助けた鶴が。正体を知られてしまった鶴は「ココに居られない」と言い、泣きながら飛び立っていった。

鶴の恩返しは老夫婦が登場人物になっていますが、つるのよめさまはお母さんと息子が登場人物になっています。

そこまで大きな違いはありませんが、私が読んだのはつるのよめさまなので、息子と母親を登場人物にしてあらすじを書きました。

では、鶴の恩返し(つるのよめさま)のあらすじを確認したところで、引き続き感想文をご覧ください。

鶴の恩返し(つるのよめさま)の読書感想文-提出作品

【タイトル】価値観の分かれ道

所詮、人は分かち合うことはできない。育った環境が違えば価値観も違うからそれは当然のことだ。

ずっとそう思ってきたけれども、それでも分かち合おうとした人物に出会えたことでこの事実に悲観することはないのだと感じた。

『つるのよめさま』の物語の一番のポイントは「決して覗いてはいけない」と言われた部屋を主人公が覗いてしまったところにあるだろう。

タブーを犯してしまった主人公は悪いと思うが、彼には覗いてしまった理由がある。日に日に物音が消えていくことを心配し、相手のことを思って扉を開けてしまった。

つまり、タブーを犯してでも相手のことを助けたいと思って行動をしたわけだ。この行動に関しては情状酌量の余地があったかもしれない。

一方で、なぜ鶴は「決して覗いてはいけない」と言ったのか。これに関しては「正体がバレたら分かち合えない」と話していた。人と動物という違う生き物である以上、種を超えることは叶わないと思っていたのだろう。

つまり、鶴に関しても相手のことを思って行動したことになる。互いに相手のことを思っているのに幸せになることはできなかった。

やはり、自分と違い過ぎるモノに関しては分かち合えないまま終わることがあるだろう。

けれども、この物語の結末で私には新しい価値観が生まれた気がしている。その結末というのが、『(主人公は)とうとう自分も鶴になってどこかへ飛んで行った』というもの。これは「自分が鶴の姿になってでも相手のことを分かち合おうと決めた」のだと私は解釈した。推測になるが、主人公は後にきっとあの鶴に出会えただろう。

物語の結末としては互いに分かち合うことはできなかったが、決して悲しい結末ではないと思う。このように感じるのは主人公が前向きな気持ちでいたからだ。

相手に同化してまでも分かち合おうとする気持ちがあれば、育った環境や価値観が違っても自分が納得のいく行動を起こせると『つるのよめさま』から学んだ。

(800文字)

話の続きを考察しながら感想文を書いてみた

絵本『つるのよめさま』の表紙
『鶴の恩返し』は読んだことがありましたが、冒頭にも記したように今回は派生したタイプの『つるのよめさま』を読んで感想を書きました。

私が子供の頃に読んだ『鶴の恩返し』は悲しい結末という印象があったのですが、今回読んだ『つるのよめさま』は主人公が最後に行動を起こすので、その行動によって希望を感じる結末に思えました。

なので、私はハッピーエンドと捉えましたが、読む人によってはバッドエンドと感じるかもしれないですね。

解釈は読んだ人によって違うと思いますが、それは読書感想文の良い所だと思います。

感想ですから『自分がどう思ったのか』というのが正解の一つとなりますからね。

 

さて、今回のテーマですが『価値観の違い』というのに注目してみました。

終始お互いが相手のことを思って行動しているのに、価値観や考え方が違うだけですれ違ってしまうというのは誰しも経験があるでしょう。

こういう経験は悲しいことでもあると思いますが、避けられないことでもあると思うので私としては仕方がないと悲観的な考えになってしまいます。

けれども、物語の結末の「主人公が鶴になって飛び立った」という文章で、物語が終わっていない感じ、「まだまだ話は続くんだよ」というメッセージを感じることができて、『価値観が違うから仕方がない』ではなく『価値観が違ってもまだ別の考え方があるんじゃないの?』ということを感じられました。

まぁ、見方によっては「主人公、ストーカー気質かな?」と捉えることもできるので、必要以上に同化するのはどうかと思うこともありますが、価値観は違うから面白かったりします。

また、『違うものを違うもの』として捉えることで自分を客観視できたりしますから、一度頭の中で「相手はなぜその発言や行動をしたのか?」ということを考えるようにするのがいいかもしれませんね。

日本人らしさを感じられる物語でもある?

『つるのよめさま』は相手のことを考えているのにすれ違ってしまうという『もどかしさ』みたいなものをを感じたのですが、これって日本人っぽいなーと思いました。

私は1ヶ月だけ海外にホームステイをしたことがあるのですが、その時に日本人らしさを感じることができたのですね。

海外の方は自分の意見をはっきり伝えるので、わかりやすい反面、距離感が近すぎてしんどいなと思うこともありました。

日本人は『察しや思いやり』を重視する文化?気質?だと思うので、適度に距離を取って行動できると感じています。

 

どちらが良い悪いはそれぞれだと思いますが、私は日本人の『察しや思いやり』の文化は好きですよ^^

『つるのよめさま』も外国人のようにはっきり想いを伝えていれば、こんな結末にはならなかったと思いますし、この物語はなんか日本人らしさを感じる物語だなーと思いました。

…まぁ1ヶ月しか海外にいなかったですけど。笑

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